(二)-16

文字数 255文字

 町に着くと、バスは石見直江津駅のロータリーに到着した。
 俺は事前に調べておいた地図を思い出しながら弁護士事務所へ向かった。
 駅からはそう離れてはいない、三階建ての雑居ビルの三階にそれはあった。
 雑居ビルにはエレベーターがなく、階段で上った。建物が古いせいか、階段がやや急に思えた。
 最上階に着くと、やや上がりそうになっている息を整えて、事務所のドアをノックして開けた。
 ドアを開けると背広にひげ面の高齢の男性が立っていた。ちょうどドアを開けようとしていた所だったらしく、右手がドアノブの位置にあった。

(続く)
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