カレーを作る
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実のところ右京はお米を炊き、炊飯器が稼働している間に材料を切ってフライパンで炒めて、それから鍋に放り込んで、少なめの水でゆで始めます。。
カレーのルーを入れるのは最後。
水の量が最初から少なめなので、水っぽいカレーにはなりません。
料理というのは味はさておき、誰が作ってくれたか、誰と食べるのか、そういった心で感じることが可能な存在だからだ。
異世界から現れたマスクをかぶった変な少年が料理を作ってくれた、それだけで十分おいしいじゃないか。
だって、ランチパックを買うときはレジの人と目を合わせるくらいだし、人の温かさがないわ。
でも、右京がこうして時間をかけて私のために料理を作ってくれた、それに価値があるんじゃないかしら?