映画『黒い箱のアリス』を紹介
文字数 2,852文字
*内容をさらにわかりやすくした『映画チャットノベライズ(笑)』のブログもよろしくお願いします。
『黒い箱のアリス』
(映画文字ラジオ:https://inaba20151011.hatenablog.jp/entry/2019/10/12/092011)
【あらすじ】
――――
事故で母親と右腕を失った少女の身に起きる奇妙な出来事を鮮烈な映像で描き、ジャンル系映画を多数上映するシッチェスやプチョンなどの国際ファンタスティック映画祭で評価されたスペイン製SFスリラー。
父親が起こした事故で母親を亡くし、自らも右腕を失った少女アリス。それ以来、彼女は周囲に対して心を閉ざし、人間の言葉を話す装置をつけた愛犬をママと呼ぶように。
ある日、森で巨大な黒い立方体に遭遇した彼女は、その中から1通の手紙を発見する。手紙にはなぜか彼女自身の筆跡で「彼らを信じないで」と書かれていた。
ほどなくして、森で倒れていたという姉弟を父親が家に連れて来るが……。
ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。
【感想】
――――
美雪「きりぃっつ! きょうつけぇ! 美雪雪音ですぅ」
門平「起立! きょうつけ! 門平善照です!」
美雪「前回はすまないわね。誰もいないはずの無人島行きのチケットをもらって、人の言語をしゃべれない肉たちと戯れていたわ」
門平「(島流しだとは言わず)そりゃよかった。スタッフが苦労してチケットを取ったかいがあったもんですよ(生きて帰ってくるとは思っていなかった)」
美雪「そこで取った肉をたくさんクール宅急便で送ったけど、受け取ってくれた?」
門平「もちろん。スタッフ全員でおいしくいただきました(因幡さんに全部やった)」
美雪「それは良かったわ。たくさんあって食べきれなかったの。あの肉たち、腕が何十本もはえてるし、足も何本もあるし。ひとり残らず食料にして、おなかいっぱいになっちゃって。今度またチケット取れたら、スタッフみんなを連れていきましょう。あと島流しって何よ。冗談はやめてよね」
門平「う~ん。そうっすね。一緒に行きたいっすね。用事がなければ(スタッフを目で、「食人族が住んでる島じゃなかったのか?」と訴えている)」
美雪「卑猥な発言は反省してるわ。今日は清楚な委員長タイプの美雪ちゃんでいきます」
門平「清楚って何かね? 委員長って何かね?」
美雪「今日紹介するのは『黒い箱のアリス』ね。《未体験ゾーンの映画たち》から出てるから、日本ではほぼ知られていないわ」
門平「まあはっきり言うと、さまざまな理由により公開が見送られちゃった映画だね。怪作が多いから、好きな人は観るドマイナーな映画だとおぼえてくれればいいよ。ジャンルは幅広くて、ホラーやSFもある。日本のテレビじゃ絶対にやらないから、観たい人はネットか、レンタルか、通販で買うしかないね」
美雪「レビューもさんざんなものが多いわ」
門平「そこは相性の問題だね。ほんと。好きな人は好きなんだよ。ネット小説でいう異世界転生みたいなものよ」
美雪「で、今回の作品はスペイン製のSFスリラーなわけね。冒頭。顔を隠した男によって、アリスの父親が襲われるところから始まるわ。場面は変わってアリスの自宅。医者とアリスが話している。アリスは事故により母親と右腕を失ってしまうの。自暴自棄になっているのか、事故の原因を作った父親にはつらくあたり、ペットをママと呼んでお話してるわ」
門平「冒頭に謎を残し引っ張ってるね。それに義手も、ペットの言語通訳器も、かなり高性能だね。ここはミステリーであり、SF出てるねぇ。ちなみにこの作品は章立てになっていて、第一章、第二章と続きます」
美雪「ペットの犬と散歩していると、アリスは黒い立方体(キューブ)を見つけるの。手でふれてみると、穴があいて、そこから手紙が出てくるわ。帰って自分の字で書いてみると、筆跡が一致。つまり、この紙は自分で書いたものだとわかる。紙には『彼らを信じないで』と書かれてあった」
門平「未来の自分からのメッセージだね。けっきょくこの黒い箱みたいなものはなんだったのかは、最後まで説明されずだったね。タイム・マシンだったのかね?」
美雪「紙を持って帰ったあと、アリスの父親がある姉と弟を家に連れ帰るわ。姉エリカは彼氏に暴力を振るわれ、虫の息だった。弟ポールは口が聞けないようだった。最初、アリスは未来の紙の言うとおり、姉と弟を怪しんでいた」
門平「ペットのママもあの姉弟は怪しいって言ってたもんね。エリカに暴力をふるった彼氏の名前はデイヴィッドといいます」
美雪「その夜。アリスは外に誰かいると父親に言います。でも、外には誰もいなかった。次の朝、積木の練習をしていると、ポールがやってきます。積木をのせることに成功し、抱き合うアリスとポール。しかし、アリスは父親がエリカの頬に手をふれていたことに激情、ママと森に出ていきます」
門平「ここらへんでちょいちょいエリカとポールが怪しい言動や行動をし始めるね。伏線張ってるねぇ」
美雪「あの黒い立方体から、今度はメモリーを手に入れるわ。そのメモリーの音声を聞いていると、『私に従って』と未来のアリスが言ってくる。まず父親を外に出す。そしてポールをキッチンに呼び出す。そして殺せと命令する。声は続く。『殺しは初めてだけど、何度も失敗してきた』『彼が好きでも殺さなきゃだめ』『姉のエリカも殺せ』。メモリーの中のアリスは指示に従えと訴えるけど、けっきょくアリスは従えず、姉と弟を殺せなかった」
門平「そして絶望が始まると。タイムリープを知っている人なら、未来のアリスだとわかる展開だね。ただ、知らない人だと、メモリーや紙を渡した人物は、もしかすると、アリスじゃないのかもしれないという疑惑を持つね。ただ、SFスリラーって言っちゃってるから、それ系だと思うわな。黒いキューブもSFっぽいし。事前情報を得なかった人なら、それなりに楽しめる作品だったかもしれない」
美雪「以上で映画の紹介は終わりね。私はこの作品好きよ。アリスの自宅は絵本から出てきたようなセンスの高いものだわ。静かすぎるってレビューで書いてる人もいるけど、その分自由度は高いし、想像させる余地が大きい」
門平「その雰囲気のおかげで、役者の演技も際立っていたしね。セリフは少なく、動作は最小限。映像はガラスから中身をのぞくような感覚。ストーリーに賛否はあるだろうけど、映像の技術は高い」
美雪「私もあんな家に住みたいわ・・・」
門平「あれじゃ、外から丸見えだぞ? パジャマで家の廊下歩けないぞ?」
美雪「そうよ。みんな服を脱いじゃえばいいのよ! 丸出しで外を歩くの! みんな、すべてをさらけ出そう!!」
門平「おいおい。清楚どこいった? 清楚。はい、この女がたぶん次卑猥な発言するだろうから、終わりぃ~」
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『黒い箱のアリス』
(映画文字ラジオ:https://inaba20151011.hatenablog.jp/entry/2019/10/12/092011)
【あらすじ】
――――
事故で母親と右腕を失った少女の身に起きる奇妙な出来事を鮮烈な映像で描き、ジャンル系映画を多数上映するシッチェスやプチョンなどの国際ファンタスティック映画祭で評価されたスペイン製SFスリラー。
父親が起こした事故で母親を亡くし、自らも右腕を失った少女アリス。それ以来、彼女は周囲に対して心を閉ざし、人間の言葉を話す装置をつけた愛犬をママと呼ぶように。
ある日、森で巨大な黒い立方体に遭遇した彼女は、その中から1通の手紙を発見する。手紙にはなぜか彼女自身の筆跡で「彼らを信じないで」と書かれていた。
ほどなくして、森で倒れていたという姉弟を父親が家に連れて来るが……。
ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。
【感想】
――――
美雪「きりぃっつ! きょうつけぇ! 美雪雪音ですぅ」
門平「起立! きょうつけ! 門平善照です!」
美雪「前回はすまないわね。誰もいないはずの無人島行きのチケットをもらって、人の言語をしゃべれない肉たちと戯れていたわ」
門平「(島流しだとは言わず)そりゃよかった。スタッフが苦労してチケットを取ったかいがあったもんですよ(生きて帰ってくるとは思っていなかった)」
美雪「そこで取った肉をたくさんクール宅急便で送ったけど、受け取ってくれた?」
門平「もちろん。スタッフ全員でおいしくいただきました(因幡さんに全部やった)」
美雪「それは良かったわ。たくさんあって食べきれなかったの。あの肉たち、腕が何十本もはえてるし、足も何本もあるし。ひとり残らず食料にして、おなかいっぱいになっちゃって。今度またチケット取れたら、スタッフみんなを連れていきましょう。あと島流しって何よ。冗談はやめてよね」
門平「う~ん。そうっすね。一緒に行きたいっすね。用事がなければ(スタッフを目で、「食人族が住んでる島じゃなかったのか?」と訴えている)」
美雪「卑猥な発言は反省してるわ。今日は清楚な委員長タイプの美雪ちゃんでいきます」
門平「清楚って何かね? 委員長って何かね?」
美雪「今日紹介するのは『黒い箱のアリス』ね。《未体験ゾーンの映画たち》から出てるから、日本ではほぼ知られていないわ」
門平「まあはっきり言うと、さまざまな理由により公開が見送られちゃった映画だね。怪作が多いから、好きな人は観るドマイナーな映画だとおぼえてくれればいいよ。ジャンルは幅広くて、ホラーやSFもある。日本のテレビじゃ絶対にやらないから、観たい人はネットか、レンタルか、通販で買うしかないね」
美雪「レビューもさんざんなものが多いわ」
門平「そこは相性の問題だね。ほんと。好きな人は好きなんだよ。ネット小説でいう異世界転生みたいなものよ」
美雪「で、今回の作品はスペイン製のSFスリラーなわけね。冒頭。顔を隠した男によって、アリスの父親が襲われるところから始まるわ。場面は変わってアリスの自宅。医者とアリスが話している。アリスは事故により母親と右腕を失ってしまうの。自暴自棄になっているのか、事故の原因を作った父親にはつらくあたり、ペットをママと呼んでお話してるわ」
門平「冒頭に謎を残し引っ張ってるね。それに義手も、ペットの言語通訳器も、かなり高性能だね。ここはミステリーであり、SF出てるねぇ。ちなみにこの作品は章立てになっていて、第一章、第二章と続きます」
美雪「ペットの犬と散歩していると、アリスは黒い立方体(キューブ)を見つけるの。手でふれてみると、穴があいて、そこから手紙が出てくるわ。帰って自分の字で書いてみると、筆跡が一致。つまり、この紙は自分で書いたものだとわかる。紙には『彼らを信じないで』と書かれてあった」
門平「未来の自分からのメッセージだね。けっきょくこの黒い箱みたいなものはなんだったのかは、最後まで説明されずだったね。タイム・マシンだったのかね?」
美雪「紙を持って帰ったあと、アリスの父親がある姉と弟を家に連れ帰るわ。姉エリカは彼氏に暴力を振るわれ、虫の息だった。弟ポールは口が聞けないようだった。最初、アリスは未来の紙の言うとおり、姉と弟を怪しんでいた」
門平「ペットのママもあの姉弟は怪しいって言ってたもんね。エリカに暴力をふるった彼氏の名前はデイヴィッドといいます」
美雪「その夜。アリスは外に誰かいると父親に言います。でも、外には誰もいなかった。次の朝、積木の練習をしていると、ポールがやってきます。積木をのせることに成功し、抱き合うアリスとポール。しかし、アリスは父親がエリカの頬に手をふれていたことに激情、ママと森に出ていきます」
門平「ここらへんでちょいちょいエリカとポールが怪しい言動や行動をし始めるね。伏線張ってるねぇ」
美雪「あの黒い立方体から、今度はメモリーを手に入れるわ。そのメモリーの音声を聞いていると、『私に従って』と未来のアリスが言ってくる。まず父親を外に出す。そしてポールをキッチンに呼び出す。そして殺せと命令する。声は続く。『殺しは初めてだけど、何度も失敗してきた』『彼が好きでも殺さなきゃだめ』『姉のエリカも殺せ』。メモリーの中のアリスは指示に従えと訴えるけど、けっきょくアリスは従えず、姉と弟を殺せなかった」
門平「そして絶望が始まると。タイムリープを知っている人なら、未来のアリスだとわかる展開だね。ただ、知らない人だと、メモリーや紙を渡した人物は、もしかすると、アリスじゃないのかもしれないという疑惑を持つね。ただ、SFスリラーって言っちゃってるから、それ系だと思うわな。黒いキューブもSFっぽいし。事前情報を得なかった人なら、それなりに楽しめる作品だったかもしれない」
美雪「以上で映画の紹介は終わりね。私はこの作品好きよ。アリスの自宅は絵本から出てきたようなセンスの高いものだわ。静かすぎるってレビューで書いてる人もいるけど、その分自由度は高いし、想像させる余地が大きい」
門平「その雰囲気のおかげで、役者の演技も際立っていたしね。セリフは少なく、動作は最小限。映像はガラスから中身をのぞくような感覚。ストーリーに賛否はあるだろうけど、映像の技術は高い」
美雪「私もあんな家に住みたいわ・・・」
門平「あれじゃ、外から丸見えだぞ? パジャマで家の廊下歩けないぞ?」
美雪「そうよ。みんな服を脱いじゃえばいいのよ! 丸出しで外を歩くの! みんな、すべてをさらけ出そう!!」
門平「おいおい。清楚どこいった? 清楚。はい、この女がたぶん次卑猥な発言するだろうから、終わりぃ~」
*内容をさらにわかりやすくした『映画チャットノベライズ(笑)』のブログもよろしくお願いします。