にゃおにゃおスイーツタイム

文字数 778文字

アラン君って、チーズケーキの好みある?
好み……ですか?
チーズ自体は好きですが、ケーキの好みは無いようなものですね。
余程不味くない限りはどれも美味しく頂いてきましたね。
そっか。
じゃあ、こんな変化球はどう?
良いブリーチーズを使用したにゃおにゃおチーズケーキ
にゃおにゃお……
類似品にパンもあったけど、チーズケーキの方が美味しそうだったからね。
この珈琲にも合いそうだし。
そう言ってニコライが差し出したのは、三毛猫が描かれた箱だった。
キャリコーヒーには、きっと猫の顔をしたチーズケーキが合う。
はい、アラン君の分のマグ。
ありがとうございます。
そして、コーヒーバッグをホイっと。
ニコライはアランのマグにマドラー付きのコーヒーバッグを放り込んだ。
これは……?
コーヒーだよ?
香りで分かるでしょ?
コーヒーなのは香りで分かるのですが、見たことのない形状なもので。
この陽だみゃりブレンドはね――
言いながら、ニコライは自分用のマグに湯を注ぎ始めた。
この棒を動かすとコーヒーが抽出される仕組みなんだ。
どう?
面白いでしょ?
ですね。
それに、安らぐ香りが広がって……
有機栽培したものだから、香りも違うのかもね。
ニコライはアランのマグにも湯を注ぎ入れ、アランはコーヒーを抽出し始めた。
さて、コーヒーが冷めないうちに食べ始めようか。
まあ、どこから食べるかが問題だけど。
生き物の形を模した食べ物を前にする度に直面しますね、この問題。
妹に問い掛けた時には、
「二つの三角を取れば殆ど楕円だろ」
って容赦なく切られたけどね、猫耳。
返す言葉が浮かびません。
代わりに、充分に眺めて楽しんだら……ホイップクリームで耳を隠せば、ほら罪悪感が減る。
ニコライは猫の頬の部分を掬って食べ始めた。
うん。
やっぱり美味しいね。
ニコライに続いてアランもチーズケーキを食べ始め、猫猫しいスイーツタイムは緩やかに過ぎて行った――
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登場人物紹介

ニコライ
ぶっとんだ猫好き

アラン
ニコライに振り回される雇われ

みゃーたん
ニコライに溺愛されるロシアンブルー。
つやっつや。

iCAT
猫三昧出来る素敵端末。
猫耳カバー付き。

ヴィエーリャ
 
ニコライの妹。
いわゆるギーク。

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