第1話

文字数 339文字

 「シェルブールの雨傘」よりも「昼顔」(ルイス・ブニュエルのほう)を繰り返しみてしまうタイプの人間であるが、ぼくは女性経験が豊富である。セックスばかりしてきた。
 そういう人間の例にもれず、「女ごころ」というものをマジメに考えてみたことはない。そういうものを考えなくとも幾人もの女性と関係をもつことができた。から、考えない。という無限ループがぼくの人生である。
 それに、近ごろでは、「女ごころ」などという概念を持ち出したりしたらレイシスト扱いされかねない。
 時代がぼくに追いついてきたというか、ぼくは生涯「女ごころ」と無縁で終わりそうである。
 しかし未来はわからない。もしかしたら長靴を履いた犬くらいには、どこか、例えばトイレの朝顔で隣合わせるということが、いつかありそうに思う。
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