第1話 メンヘラアンナちゃん
文字数 1,066文字
2年間付き合った彼氏にありがちなことを言われ、3か月前にフラれた。
それからは後悔ばかりが頭に浮かんで毎日苦しい。
ごはんものどを通らず、 夜はしっかり眠れず、何度も目が覚め、一日気分が悪い。
やる気が起きなくて毎日ごろごろ何もせず過ごしている。
アンナ(21歳)
1年前から大学休学中。彼氏なし、友達もいない。
大学では影で「メンヘラちゃん」と呼ばれている。
小さいころからいじめられっ子で暗い性格だったアンナは、大学入学を機にこれまでの自分を変えようと
頑張ってみたけど、 自分を変えることはなかなか簡単じゃなかった。
もともと苦手だった友達付き合いに失敗してSNSで愚痴や悩みを投稿してしまい、周りにはメンヘラ認定されてしまった。 それから大学に居辛くなり休学している。
これまではジョンだけが
心の支えだった。
ジョンとは付き合って
すぐアンナがジョンの下宿に
転がり込み同棲を始めた。
いつも一緒にいて、
一緒にいられないときには
1日何度も連絡した。
LINEの返事が来ないと
浮気しているのか
心配で寝られなかった。
友人との飲み会で酔いつぶれた
ジョンが、約束の時間に
家に帰ってこられなかった
ときには朝まで寝られず、
ジョンが帰ってきてから
アンナは泣きわめいて怒った。
ジョンにGPSのアプリを
インストールするよう求め、
いつでもどこにいるのか
監視できるようにした。
ジョンは、
外に出るよう
すすめていたが、
軽く受け流していた。
アンナは、ジョンが大学を
卒業後、結婚すればいい!
思っていたので大学を
卒業することも
バイトに行くことも
本気で考えてはいなかった。
アンナは、ジョンと
結婚して子どもを産んで、
専業主婦として生活すればよい
と将来のことばかり考えていた。
当然そういう未来になると
思っていたのに
突然の別れ
である。 ジョンに別れを
切り出されたアンナは、
など、何度も何度も
メッセージを送り、
LINEをブロックされれば、
SMS、メール、手紙
すべての連絡手段を使った。
SNSにも未練がましい思いを
投稿するなど、そうした毎日を
1か月ほど続けた。
ついに疲れ切ってしまい
ジョンに送る言葉が
なくなってしまった。