第8話
文字数 1,724文字
永嗣は戸惑いながら
「酒飲むところだから…楓花未成年だし、今日制服着てるから…」
と楓花に言うと
「そっか…そうだね、ごめんね、いきなりわがまま言って…」
そういった後しゅんとしている楓花をちらちら見て、ため息ついたあと
「…よし、着替えてから行こう。車あっちに停めてるから」
と楓花の腕を引っ張り
「弱いんだよなぁ…」
と、聞こえないくらい小さな声でボソッと呟いた
楓花は腕を力強く引っ張られてドキドキしていた。病気による苦しさとは違う、愛しさを感じるものだった
車のそばに着いたときにやっと自分が楓花の腕を掴んで、しかも早歩きだったことに気づき、手をパッと離し
「悪い!きつかったよな?大丈夫か?苦しくないか?」
と楓花を思いやりながらも顔を赤くしていた
「大丈夫。嬉しかった」
と頬を赤く染め笑顔で返事すると、永嗣は手で口を押さえ、助手席のドアを開けて楓花の手を取りエスコートした
「…おれもそろそろ慣れないとな…」
また聞こえないくらいの声で呟きドアを閉めた
洋服を選んでる最中、楓花は場所に合わせようと大人っぽい服を選んだが、永嗣はことごとく却下し、普段と変わらない洋服で落ち着いた。そして洋服代も言い合いになりながらも結局永嗣が支払った
車で繁華街に向かい、賑わいのある風景に目を奪われる楓花。飽きるくらい見慣れてる永嗣にとって楓花の反応は新鮮に感じられた
そして近くの駐車場に車を置き、物騒だからと心臓バクバク言わせながら手をつなぎ、店まで歩いた
「店、変だから驚くかもな」
「変?」
楓花が首を傾げると
「行けば分かるけど…幻滅しないか心配」
「大丈夫…だと思うよ」
今の状態が楓花にとって日常から離れているので、逆に楽しくて仕方なかった
店に到着し、二人とも深呼吸してからドアを開けた
ドアが開くときのベルがなって、マスターが永嗣たちに気が付いた
「まぁ!楓花ちゃん来てくれたのぉ?!ありがとう~!可愛い~?」
楓花は照れながら戸惑っていた。それを見た永嗣は
「だから言ったろ?この人がマスター。マスター、あんまり困らせないでくれ」
永嗣がそういうとマスターは
「んもう!ママって呼んで!よろしくね、楓花ちゃん!」
と、楓花の手を取った
「よろしくお願いします、ママ」
するとマスターは
「ほら聞いた?楓花ちゃん、ママって呼んでくれたわよ!」
とはしゃぎ出した。それを見て永嗣は
「はいはい」
と受け流した
「そうそう、雅くんと和ちゃん来てるわよ」
と、奥のテーブルを指さした
「兄貴も来てたんだ。楓花、紹介するから行こう」
と楓花の手をとって奥へ進んだ
「雅貴 兄貴、久しぶりです」
と軽く会釈をすると、雅貴は
「よう永嗣」
と永嗣に言ったあと楓花を見て
「君が楓花ちゃんか。話は聞いてるよ。こんな不器用な男だけどよろしく頼むよ」
と優しく微笑んだ
見た感じ30代後半くらい、黒髪のオールバック、落ち着いた印象で貫禄も感じられる
「よろしくお願いします…永嗣、不器用じゃないと思いますが…」
「いやー、永嗣さんはかなりのぶきっちょっすよ!今日だって柄にもなく映画何がいいだろうって真剣に悩んでたっすよ。んで待ち合わせの場所でLINEしてるんすからね…来なかったらどうするつもりだったんだか…」
「…余計なこというな」
和という少年にからかわれ、赤くなりながら和を睨んだ
永嗣より年下であどけない表情をしている。派手な装いをし、永嗣と雅貴が背が高いせいか小柄のように見える
和…さっき永嗣さんが言ってたのこの人だったんだ…
と、自分でも気づかずに女性だと思い込んでたので、何となく安心していたのも気づいていなかった
「酒飲むところだから…楓花未成年だし、今日制服着てるから…」
と楓花に言うと
「そっか…そうだね、ごめんね、いきなりわがまま言って…」
そういった後しゅんとしている楓花をちらちら見て、ため息ついたあと
「…よし、着替えてから行こう。車あっちに停めてるから」
と楓花の腕を引っ張り
「弱いんだよなぁ…」
と、聞こえないくらい小さな声でボソッと呟いた
楓花は腕を力強く引っ張られてドキドキしていた。病気による苦しさとは違う、愛しさを感じるものだった
車のそばに着いたときにやっと自分が楓花の腕を掴んで、しかも早歩きだったことに気づき、手をパッと離し
「悪い!きつかったよな?大丈夫か?苦しくないか?」
と楓花を思いやりながらも顔を赤くしていた
「大丈夫。嬉しかった」
と頬を赤く染め笑顔で返事すると、永嗣は手で口を押さえ、助手席のドアを開けて楓花の手を取りエスコートした
「…おれもそろそろ慣れないとな…」
また聞こえないくらいの声で呟きドアを閉めた
洋服を選んでる最中、楓花は場所に合わせようと大人っぽい服を選んだが、永嗣はことごとく却下し、普段と変わらない洋服で落ち着いた。そして洋服代も言い合いになりながらも結局永嗣が支払った
車で繁華街に向かい、賑わいのある風景に目を奪われる楓花。飽きるくらい見慣れてる永嗣にとって楓花の反応は新鮮に感じられた
そして近くの駐車場に車を置き、物騒だからと心臓バクバク言わせながら手をつなぎ、店まで歩いた
「店、変だから驚くかもな」
「変?」
楓花が首を傾げると
「行けば分かるけど…幻滅しないか心配」
「大丈夫…だと思うよ」
今の状態が楓花にとって日常から離れているので、逆に楽しくて仕方なかった
店に到着し、二人とも深呼吸してからドアを開けた
ドアが開くときのベルがなって、マスターが永嗣たちに気が付いた
「まぁ!楓花ちゃん来てくれたのぉ?!ありがとう~!可愛い~?」
楓花は照れながら戸惑っていた。それを見た永嗣は
「だから言ったろ?この人がマスター。マスター、あんまり困らせないでくれ」
永嗣がそういうとマスターは
「んもう!ママって呼んで!よろしくね、楓花ちゃん!」
と、楓花の手を取った
「よろしくお願いします、ママ」
するとマスターは
「ほら聞いた?楓花ちゃん、ママって呼んでくれたわよ!」
とはしゃぎ出した。それを見て永嗣は
「はいはい」
と受け流した
「そうそう、雅くんと和ちゃん来てるわよ」
と、奥のテーブルを指さした
「兄貴も来てたんだ。楓花、紹介するから行こう」
と楓花の手をとって奥へ進んだ
「
と軽く会釈をすると、雅貴は
「よう永嗣」
と永嗣に言ったあと楓花を見て
「君が楓花ちゃんか。話は聞いてるよ。こんな不器用な男だけどよろしく頼むよ」
と優しく微笑んだ
見た感じ30代後半くらい、黒髪のオールバック、落ち着いた印象で貫禄も感じられる
「よろしくお願いします…永嗣、不器用じゃないと思いますが…」
「いやー、永嗣さんはかなりのぶきっちょっすよ!今日だって柄にもなく映画何がいいだろうって真剣に悩んでたっすよ。んで待ち合わせの場所でLINEしてるんすからね…来なかったらどうするつもりだったんだか…」
「…余計なこというな」
和という少年にからかわれ、赤くなりながら和を睨んだ
永嗣より年下であどけない表情をしている。派手な装いをし、永嗣と雅貴が背が高いせいか小柄のように見える
和…さっき永嗣さんが言ってたのこの人だったんだ…
と、自分でも気づかずに女性だと思い込んでたので、何となく安心していたのも気づいていなかった