プロローグ 邂逅と始まりの別れ

文字数 498文字

-プロローグ1復讐 - 



 許さない。











絶対に許さない。 











私はあなたを絶対に許さない!

















意識が薄らいでいくなか、













女は強く呪詛の念を吐く。









剣を振りかぶり

今にも泣き出しそうな顔で



女を見下ろす

目の前に立っている男に向けて――







-プロローグ2-



 絶え間なく風が吹き通り過ぎていく草原。

見晴らしはよく遥か遠くの方まで、

みずみずしい緑が続いている。



空には太陽が地上の生き物達に

平等にそのまばゆい光を降り注いでいた。



草原の中に一画切り取られたように開けた、

色とりどりの花々が咲く場所。



銀色の髪をした美しい少女が一人花を愛でている。

じょうろから水をやっていた。



柔らかなまなざしを花々に向ける、

少女の周りだけ時間の流れは穏やかで、

ゆったりと流れているかのようだった。



 草をかき分け少女に近づく足音が一つ。



少し癖のかかった栗色の髪の少年だった。

少年は少女の存在に気がつくと声をかけた。



「こんにちは」



唐突に声をかけられ少女は体を小さく震わせ、

風になびく髪をおさえながら顔を上げる。



少女のアイスブルーの瞳には警戒の色が浮かんでいる。



「綺麗な花だね。君が育てているの?」

怖がらせないようにとでもいうように

少年は笑みを浮かべ言った。

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