第8話

文字数 973文字

三ヶ月ぶりの快楽はやはり最高だった。
女性とセックスするために男性は汗水垂らして働くのだ。
セックスできないなんて自分にとって地獄以外にない。
ユイの口と体で何度達したことだろう…。
ベッドの上でクタクタになった体を捻りながら起こし,シャワールームに入った。
シャワーを浴びながらこれからの事を考える。
ユイに何と言って口止めをすればいいだろうか?
いくら渡したら黙っていてくれるだろうか?
俊樹にしてみればそれが十万円なのか五十万円なのかは全くわからなかった。
もしかしたら、金の話はしない方がいい可能性もあった。
だが,誰かに相談する時間はない。
瞬時に決めなくてはいけない。
シャワールームを出た俊樹はいつものようにミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出して,喉を潤した。
ヘビーなセックスをして全く動けなくなったユイの横に座り頭を撫でた。
その時、妙案が俊樹の頭を掠めた。
美香が帰ってくるまではまだ二週間近くある。
何と俊樹は、それまでに考えればいいではないかと安易な答えを選んだのだった。
何故なら今ここでユイに口止めを頼むのも美香が戻って来る前に頼むのも同じ事である。
それならその間ユイとのセックスを堪能してから考えることにしたのだ。
割り切った関係だが、俊樹にしてみればこれほどいい関係はなかった。
いわゆるセックスフレンドである。
ユイには美香が帰ってくるまでと割り切ってくれと話をしたところ、「その代わり口止め料を頂戴よ」と言ってきたので百万円で手を打つことにしたのだ。
結婚破棄をされて四千万円払うよりは百万円で二週間ユイを買ったと思えば安いものだ。
ただし、その甘い考えには落とし穴があった。
バレなければ…の考え故、バレてしまえばどの道結婚破棄だろう…。
快楽の二文字をとってしまった男にはもう選択肢はなかった。
美香が帰る前にユイと別れればいいし、ユイもそれでいいと言ってくれた。
後はユイと会っていることを誰にも知られないようにするだけである。
そう考えると俊樹は少し楽になった。
それも今まで溜まっていたものを放出しかからに他ならなかった。
次の日から俊樹はユイと他の人にはわからないように密会をした。
それはまるで不倫をしているかのスリルを感じた。
そしてその密会は美香が旅行から帰ってくる前の日まで続いたのだ。
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