第3話 使い魔との絆~眠らされた使い魔

文字数 1,153文字

《使い魔には親愛度があり、親愛度が最大になると、使い魔と新たな絆を作ることが出来、お互いの気持ちを確かめ合えるようになります》
「それって」
《もちろんHなことです》
「それはちょっと」
《親愛度マックスになれば、変わりますよ》

「これからどこに行くんだ?」
「困ってるかい?」
「さっきの情報屋」
「聞いた話だが、眠らされた使い魔がいるらしいな。閉じ込めてあるから、助けるのは容易じゃないが、城の王に聞いてみたらどうだ?」
「強いですか?」
「ああ。使い魔がいても、勝てるか分からない。気を付けろよ」
「分かりました」

「春風、城に行くの?」
 イリアが聞く。
「ああ」
 覚悟を決めて答える。
「助けましょう」

【スモッグ城】
「我が城に何の用だ? 旅人は用はないはず」
「使い魔の話を」
「使い魔だと? お前ら、あの使い魔を助けに来たか! 許さん!」
キングゴブリン
体力600
魔法300
攻撃500
守備400
「私たちでも、敵わないかも」

 キングゴブリンの攻撃。春風に350ダメージ。春風は死んでしまった。
「そんな!」
 イリアの炎。しかし、跳ね返された。イリアは行動不能になった。シーラン・マリタも敵わず、全滅してしまった。
「こいつらを牢へぶちこめい!」
 春風たちは牢屋へ入れられた。

「春風、起きて。私たちはあなたがいないと」
 しかし、春風は返事をしない。
「死なないで!」
「イリア、ここは任せて」
 マリタが回復魔法で傷をいやす。春風の傷が少し塞がった。
「んん。ここは?」
「春風!」
 イリアが春風に抱き付く。彼女の体の温もりでドキドキする。

「どうしたの?」
「あなた、やつにやられて動かなかったの」
「まるで死んだようだった」
「びっくりしたわよ」
 シーラン・マルタも少し涙をためている。
「心配掛けたね」
「まったくよ」
 春風はイリアを強く抱き締める。
「ああ♡」
 イリアは体を震わせる。使い魔たちとの親愛度が2上がった。

「しかし、あいつを倒さないと」
「何かあるかもしれないわ」
「探してみましょう」
 イリアは自分のパンツが濡れていることに気付く。
(これって……)
 使い魔は人間ではない。人間としての愛を(はぐく)むことは出来ない。だが、人間と同じように、体を重ね、お互いの想いを重ねることは出来る。

「敗れたみたいだな。そのままじゃ勝てない」
 情報屋が牢屋越しに話し掛ける。
「どうすれば?」
「城の地下に入れ。裏から(・・・)な。分かったか?」
「その後は?」
「奥に行くと、宝物庫がある。鍵は空いてるはず。その宝を盗るんだ」
「バレたら」
「あれは本当の王じゃない。なりすました魔物だ」
「分かりました」
「幸運を祈るぞ」
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