Light in the dark:真澄と瑞希 

文字数 453文字

 ふと目が覚める。
 広い寝室はほの暗い闇と、前戯前(ぜんきまえ)()いたインド香の白檀(びゃくだん)の残り香に包まれている。
 真澄(ますみ)はミッドナイトブルーに彩られたキングベッドから体を起こすと、サイドボードに置かれた眼鏡を手に取り、それをかけた。
 視線を左下に向けると、瑞希(みずき)が静かに寝息をたてて寝ている。
 ミッドナイトブルーのブランケットから覗く、白い背中がコントラストを際立てていた。
 その白い背中には、真澄が付けたキスマークが花びらのように散らばっている。独占欲の表れだ。
 真澄は瑞希のミルクティーベージュの猫っ毛を撫でながら、その白く細い首筋に唇を落とす。
 首筋から顔を上げてブランケットをかけ直し、ベッドから降りる。
 ダークグレーのパイル地パーカーとスウェットパンツを身に着けると、カカオブラウンに染め上げたショートヘアをかきあげながら寝室のドアを開けた。
 喉が渇く、水が欲しい。
 瑞希の分も用意しなければ、と考えながら真澄はリビングへと向かった。
(終)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み