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文字数 698文字

 龍二は返事をしながら、車を走らせた。
俺は楽しくなり、

「じゃ俺も、ホットドッグ屋でも始めようかな」

と惚けて言ってやると、龍二は、

「今は、サンドイッチが流行ってる」

との返答。

「そう、じゃそれで・・・」

と俺も惚けて返事。
 しばらく沈黙していると龍二が。

「何だって世界政府管轄の民間機で来たんだ。うちらの組織の、息のかかった航空会社もあったろうに」

と聞いてきた。俺は、

「ミサイルで撃ち落とされたら、一巻の終わりじゃん。それに警察に捕まりたかったから」

と言うと。

「それで、どうだった?」

と俺の作戦を理解して、質問してきた。

「う~ん、風見鶏は直ぐに逃がしてくれた。
 果たして、どっちに連絡するんだろう?」

と答えると。

「どっちもさ。うちからは謝礼は出ないが。
公安からは金一封と立場を良くして、出世まであるからな。仕方無いさ、彼らも命懸けなんだから。敵のスパイもいるだろうしな。お前を助けた警官が、スパイの可能性だってある」

「へー、逞しいねぇ庶民は。でも、敵も味方も分からない戦いって、大変だなぁ〜」

「あのねぇ〜、他人事じゃないんだよ。
ところで、本部からの指令書は?」

と龍二は聞いた。俺は、

「あっ!空港で没収された!」

と頭を抱えて、首だけ捻って龍二を見ると。
 チラッと振り向き、

「嘘つけ!お前が何も持っていなかったのは、確認済みだ」

と言った。

「へぇー、何で知ってるの?」

「空港のシステムに侵入した。カメラの映像もずーっと見ていたよ」

「さすが!」

 世界政府のセキュリティーはザルだ。
今まで敵がいなかったのもあるが。
技術者が不足しているのもあった。
有能な者は殆ど我々の味方と言えたのだ。
 尤も、今までは、であるが。
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