第83話  ドッヂボール  

文字数 2,044文字


 僕はお姉ちゃんと手を繋いで公園を目指した。
 こうやって、凛でお姉ちゃんと手を繋いで歩くのは久しぶりな気がする。


 明るい間に男の僕と、楓蓮お姉ちゃんが並んで歩くなんて、前の学校で僕がいじめられて不登校になる、それ以来だと思った。

あっ、いた!
おいおい。マジでお前……喋れるのか?
もう大丈夫だよ。ちゃんと自分の意見を言えるようになったんだ

 僕は赤木達のいるグランドに走ると、早速仲間に入れてもらえるように聞いてみた。

 すると最初は何も言わなかった赤木も、魚住が「いいんじゃね?」と言うとドッジボール仲間に入れてもらえた。


 良かった。仲直りって言っても先生の前だけだったし、もしかしたらバトルになるかもって思ってた。その時はこっちもやってやる。そんな気持ちだった。



 早速赤木が僕を狙ってくる。
 やっぱり根に持ってるのは分かってる。それはこっちも同じだ!

【魚住】

おい黒澤。お前らばっかりやらねーと、俺にも渡せよ

うん!

 魚住にもパスすると、名谷に投げ込んでいた。
 キャッチした名谷も、赤木にはパスせずに、魚住に投げ込んだり、僕ばかり狙われることは無かった。


 ふとグランドの外で見ているお姉ちゃんが目に入る。
 フェンスに手を掛けながらじっと僕を見ていた。その時手を振ると、横にいた魚住が話しかけてきた。

【魚住】

あれ。お前のねーちゃん?

うん。そうなんだ

【魚住】

くっそ綺麗じゃねぇ? 何だよあのおっぱい! でけー!

あ。あははっ
 そんな話をしてると、皆が集まってきて、僕のお姉ちゃんを指差す。
 みんな同じように「綺麗」とか「美人」とか言ってくれて嬉しかった。
 すると赤木がドッジボールを地面にバウンドさせながら、質問してきた。

【赤木】

なぁ。もしかしてあのお姉さんが、学校で言ってたお姉さん?

うん……

【名谷】

マジか? あのお姉さんが……怒ると怖いっていう人?

こ、怖くないよ。凄く優しくて。でも……僕が、その……

 そんな話をしていると、僕達の周りに集まって来たのは、野球のユニフォームを来た連中だった。

 僕達よりも一回り大きくて、中学生だと思う。


 そいつらが急に「お前ら。どけよ」と言ってきたんだ。

 つまりドッジボールをしないのなら、場所を譲れって事だと思った。


 この公園のグランドはあんまり大きくなくて、いつもこの野球部? がやってるイメージがあったから、ドッジボールはこれでおしまいだと思ったけど、赤木だけが反発した。


【赤木】

いいだろ! 俺らが先に場所取ったんだ

【野球部主将】

なんだ? この生意気なガキは

 急にケンカっぽいムードになったけど、向こうの野球部は「じゃあドッジで勝負してやるから、負けたら場所を譲れ」と言ってきたんだ。



 これには僕達もやる気になった。
 遊びじゃないドッジボールに、僕は妙に興奮したんだ。

【野球部主将】

すぐに終わらせてやるよ

 と野球部の人。うわーニキビがいっぱいだ。
 真っ赤だ。あははっ!

【赤木】

よし! やるぞ!

 赤木の掛け声と共に、魚住や名谷も気合を入れると、僕も一緒に声を上げていた。

 四対四で相手ボールに当たればアウトっていうシンプルなルールで、ドッジボールは始まった。



 だけど。野球部の球はとんでもなく速かった。
 一撃で吹き飛んだのは魚住で、顔面に当たりめちゃくちゃ痛がってるんだ。


【野球部部員】

よえーな。

その一言で笑い転げる野球部。すぐに終わらせて練習しないと、とか言ってくるので腹が立った。
赤木!

 僕よりも赤木の方が力が強いから、ボールを渡すと一目散に野球部へと投げ込んだ。


 だけど真ん中でがっちりキャッチされると、すぐさま僕の方へと投げてきたんだ。
 物凄く早い球は僕の顔面に当たり、後ろへ吹き飛んでしまった。

【名谷】

黒澤っ! 大丈夫か?

うん……大丈夫

 今までなら絶対泣いてたと思う。だって無茶苦茶痛いんだもん。だけど泣くと言うよりも、負ける方が悔しい。だけど僕は今のでアウトになってしまった。




 すると僕のすぐ横に来ていたのは……お姉ちゃんだった。

ねぇねぇ君達。私も混ぜてくれないかな?

 お姉ちゃんは野球部の人たちにそんな事を言いはじめた。

 中々OKを出さない野球部だったけど「お願い」とお姉ちゃんが可愛く言うと「分かりました」とあっさり認めてくれた。

わ~い!


凛。ももまろをお願い

 お姉ちゃんは赤木の横に付くと、こちらに振り向いた。

 その顔は凄くニヤけてて、口元がクイって上がってたんだ。


 僕には分かる。凄い喜んでるよお姉ちゃん。

【魚住】

お姉ちゃんドッジ出来るのか?

 横にいる魚住の質問に「僕達が絶対勝つよ」と言ってあげた。

【魚住】

ってか……ドッジボールみたいなおっぱいだよな。でかすぎるっつーの

 魚住はおっぱいが好きなんだね。さっきからそればっかりじゃん。
 というわけで、お姉ちゃんが混じったドッジボールが始まったんだ。



 お姉ちゃんのニヤニヤ顔を見て、僕は見ててあげようと思ったんだ。

 だって……凄く嬉しそうだし、見てるこっちが恥ずかしくなるような、笑顔だったから。

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登場人物紹介


 ★登場人物でも若干のネタバレを含みます。第一部からお読みいただきますようよろしくです。

 ★逆に第二部の登場人物を先に読んでから、第一部をお読み頂きますと、別の意味で楽しめます。

 

 ★読者視点は神視点。登場人物の心の声も聞こえます。(フキダシの色がこの色)

 ★ 黒澤 蓮 くろさわ れん


 本編の主人公。高校一年

 男女入れ替わり体質。
 
 弟の凛と共に、新天地で新たに生まれ変わろうと、楽しい学校生活を送ろうとする。友人作りに重きを置き、人との付き合いにはとても慎重である。


 自分自身の事よりも、仲間の為ならば凄まじく有能になる。

 ★ 白峰楓蓮 しらみね かれん


 蓮の女性の姿。類稀なる美少女だが本人にはあまり自覚がない。


 外部には黒澤家の親戚(蓮の姉)となっている。

 楓蓮では世間との関わりあいを最小限にしてきたが、徐々に一人の女性として目覚め始める。

 

 自分を理解してくれる人間が増えるたびに楓蓮は飛躍的に成長してゆく。  

 ★ 黒澤 凛 くろさわりん


 小学校六年生

 男女入れ替わり体質。

 

 兄である蓮を慕い、とっても素直で女の子のような性格。
 ことある毎に兄に甘えてしまい、いつまで経っても、子供のままなので、蓮は凛の将来をとても心配している。

 

 二部中盤で凛オンリーの章があります

★ 白峰 華凛 しらみねかりん


 凛の女性の姿。

 外部との接触が無いので、彼女の存在を知るのは黒澤家の秘密を知るものだけ。

 楓蓮と違い、おしゃまさん。

★ 黒澤 玲斗 くろさわ れいと

★ 白峰 麗華 しらみね れいか


蓮や凛のお父さん。ただいま遠方で仕事中。

麻莉奈や平八。ティナとは大親友。


後半から再び登場します

★ 美神聖奈 みかみせいな


 高校で蓮と同じクラスとなる。実は小学四年生までの幼馴染。

 容姿端麗。成績優秀。運動神経抜群。リーダーシップ抜群。お金持ち。


 高校当初から蓮と関わりを持ち、お互いに影響されてゆく。無二の親友?

 記憶喪失だったが、徐々に昔の事を思い出してゆく。


 二人目の主人公。

★ 平八 へいはち 


 聖奈専属の運転手。

 黒澤家の秘密を知っており、蓮の親である麗斗(れいと)とは旧知の仲

 おっぱい職人。ツイッタのフォロワーは10万以上の有名人。

 作中でも最強だと言われるが……

★ 白竹 美優 しらたけ みゆう

 

 男女入れ替わり体質

 蓮と同じクラスとなる。ピンクの髪が目立つ美人。とても内気で、語尾が変になる。

 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は魔優と入れ替わっている

 歌が上手く、全国でも有名な絵師でもある。(エロ同人が本業)

 

 三人目の主人公。 

★白竹 美樹 しらたけ みき


 白竹美優の男性の姿。

 外部では白竹魔樹と名乗っているので、彼を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で厨房担当したり、サイクルの都合上、学校でも魔樹として振舞う。

 男の子の身体で遊ぶのが大好き

★白竹 魔優 しらたけ まゆう


 男女入れ替わり体質。

 外部では白竹美優と名乗っているので、彼女を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で接客担当。サイクルの都合上、学校でも美優として振舞う。

 心の中は女の子なので、こちらが真の姿となる。

 四人目の主人公

★白竹 魔樹 しらたけ まき


 魔優の男の姿。外部に知られているのは魔樹である。

 蓮の隣のクラスで、常にクール。成績も良く、空手や合気道を習得。

 学校内では魔樹王子と呼ばれるほどモテる。


 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は美優と入れ替わっている

 乙女ゲー大好きのツンデレ。

★白竹 麻莉奈 しらたけ まりな


美優。魔優の母。入れ替わり体質。


とてもピアノが上手く、蓮はプロの犯行だと断定。

双子の母だけあり、とても美人だが色々とヤバい人。

男の姿は、でかい上にマッチョらしい。


★ じいじ


 白竹家のおじいさん。喫茶店のオーナー。

 小太りでツルっぱげ。チョビ髭が可愛い。

 厨房担当で楽しい事があると、その場でクルクル回りだす。

★ 染谷龍一 そめやりゅういち


 男女入れ替わり体質。

 蓮と同じクラスとなり、前の席という事で付き合い始める。

 わりと積極的で、クラスでも人気がある。

 楓蓮に一目惚れし、ずっと彼女を追い求める。

 オムライサーでありポニテマニア。

 

 五人目の主人公

★山田 龍子 やまだ りゅうこ


 龍一の女性の姿。

 楓蓮を追って同じ喫茶店で働く事になる。全国でも有名な山田組の人間。

 ケンカが強く、蓮も認めるほど。

 楓蓮に近づく男を排除しようとする俺っ子。

★山田 虎子 やまだ とらこ


男女入れ替わり体質。龍一の弟(妹)

全国統一を夢見る女の子。既にチームを結成しており、チームヴァルハラと名づける。

口調はキツいが、兄弟には頭が上がらない。

デコトラならぬデコチャリで街中を暴走する。

★染谷 翔一 そめや しょういち 


男女入れ替わり体質。龍一の兄(姉)

龍一が恐れる唯一の兄貴。百人でかかっても勝てないらしい。

ただいま、新婚生活真っ最中。

★染谷 桜 (そめや さくら)


 翔一の奥さん。普通の人間。

 とても清楚で大人しそうな美人だが染谷三兄弟は彼女に対し頭が上がらない。

 翔一を女らしくする為、日々調教中。

★百済 紫苑 くだら しおん


 高校二年。軽音部。実家はソッチ系統の百済組。

 楓蓮達と一緒に喫茶店でバイトを始める。関西弁ちっくな喋り方だが、とても優しく後輩想い。

 蓮の同じクラスである、米山まゆこと、坂田沙織は小学校からの付き合い。

 マイブームはマジョリーナちゃん(ミニチュアダックス)を可愛がる事。

★坂田 沙織  さかた さおり


 高校一年。蓮と同じクラス。

 いつもニコニコ。おっとりとした口調でマイペース。

 紫苑と同じ軽音部。ベース担当。

 親が犬のブリーダーで楓蓮に二匹のダックスを譲る。

★ 西部

 蓮と同じクラス。

 事あるごとに蓮に絡んでくるが、その目的は聖奈や美優と接点が持ちたいが為である。

 ツイッター名では「モントゴメリー」。おっぱい職人を神と崇める。

★真鍋

 蓮と同じクラス。西部の友達。

 頭は良く、テストでも上位だが、彼もおっぱい職人を神と崇める。

 ツイッター名は「穴バースト」

★米山 まゆこ (だんじりバージョン)


 蓮と同じクラス。坂田とは昔からの親友で、紫苑は先輩に当たる。

 魔樹王子にベタ惚れてしまい、蓮に紹介してもらえるよう頼んだ。

 バスケ部所属。一年なのに相当の実力を持っている。

★ 三輪 加奈子 みわ かなこ

 

 蓮と同じクラス。坂田沙織の友達で幼稚園からの付き合い。

 男の子同士がホニャララするのが好き。

★ 清原 愛美 きよはら まなみ


 魔樹と同じクラス。米山まゆこと中学時代からの付き合い。

 ちなみに魔樹王子と呼び出したのはこの子。

★ 梶谷


 蓮と同じクラス。西部の友達で小学生からの付き合い。

 バスケ部所属。一年でレギュラー筆頭。

★高坂


蓮と同じクラス。梶谷の友達。

ギャルゲーのアイドルプリンセスをこよなく愛する男の子。

★ 鼻


楓蓮が命名。

その昔、蓮にケンカ売ってきたり、美優をナンパしたり、ろくでなし男であったが楓蓮や龍子にボコられる。だが楓蓮に鼻を治してもらったと勘違いしている。

楓蓮に殴られてから、とんでもなく優秀な男へ変貌する(だがケンカは弱い)

★ヴァルハラメンバー 


 只今メンバーは八人。

 虎子率いるチームヴァルハラメンバー。俗に言う不良だが、楓蓮。龍子。虎子には従順。

 実は全員イケメンレベルだが、とにかく頭も弱く、ケンカも弱い。

 NO表示されており、変なヤツが混じってます。 

 竜王 冴子 りゅうおう さえこ


 高校一年。西部曰く、彼女と美神聖奈。白竹美優を三大美女認定している。

 いつも笑顔。とても愛想が良い彼女だが……

 王二朗曰く、超危険人物。鞄にスタンガンを隠し持ち、女の子を襲うらしい

★ 播磨 王二朗 (はりま おうじろう)


 高校一年。竜王冴子と共に登場。190センチの巨漢であり極道顔。

 とてもじゃないが高校生には見えない容姿に、シルエット姿となっている。

 警官とエンカウントすると、ほぼ職務質問されてしまう。

 ゴリラのモノマネが神がかっている。

★竜王 将哉 りゅうおう しょうや


 萌ゴリと共に現れた男性。とてもイケメンだが萌にナンパーマンであると暴露されてしまう。萌は恋人だと告げるが……楓蓮は最初から将哉を警戒する。 

★稲坂 萌 いなさか もえ


 楓蓮が早朝マラソンに出かけた際に知り合った女性。

 巨漢で筋肉質なので、楓蓮は男だと勘違いするほど。

 とても気さくでしゃべりやすい印象を受けた萌ゴリ。ちなみにラッキースケベ体質。

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