第2話:大学進学の夢と猛勉強、合格へ!

文字数 1,726文字

 桧山芳江は、何とかして働きながらでも大学行きたいと言うと栃木が頑張れよと告げた。もし、金の問題で大学に行けない時は、相談してくれと言うと芳江は思わず涙を流した。宍戸が、おれは、建築学科に入りたいと言い、朝山は、電気科か電子科に入りたいと話した。

 朝山が、宍戸に親父さんの建築工務店を継ぐのかと聞くと、もっと大きな建築会社か、ゼネコンに入って、大きな仕事がしたいと言った。宍戸が、朝山に、お前こそ、電気屋継ぐのか聞くと違うと答えた。今後、発売されるだろうコンピューターやプログラムの勉強がしたいと言い切った。

 日本のコンピューターの大手、日立、東芝、日本電気、富士通などに入社したいと告げた。そして未来を見据えた仕事に就きたいと夢を語った。朝山が、桧山さんにも聞くと、私も、経済学を勉強し、株式投資をして大金をつかんで、大きな仕事がしたいと言う、夢を語った。それを聞いた朝山が、この中では、桧山さんの夢が、一番でかいかもしれないと言い笑った。

 すると、栃木が、俺も金をつかんで人々の生活を変えるような後世に残る仕事がしたいと言った。しかし、具体的に何をするのかは、現時点では、想像もできないと言った。でも、世の中のためになる大きい仕事をしたいと言うと、桧山さんが、何てロマンチックなのと告げ、世の中を動かしたいねと、栃木が、答えた。

 それを見ていた、宍戸と朝山が、栃木と桧山さんは、昔から仲良かったが、理想まで同じかよと言い、からかった。すると桧山さんは、顔を赤らめて、そんなに茶化さないでよと笑った。栃木が、これからの将来、明るい未来が待っているのか、暗い未来になるのか、わからない。

 しかし、少なくとも、世の中が、間違った方向に動くとしたら、それを阻止して軌道修正させる義務があると熱く語った。その話をしている栃木の、りりしい姿を好感を持って桧山さんが、見ていた。その姿はまるで、アイドルを見ている女学生の様に、うっとりと見つめていた。

 それを見ていた朝山が、世の中どうなるかわからないが、栃木と桧山さんが、将来結婚するのは、火を見るより明らかだろうなと笑顔で語った。桧山さんは、真っ赤な顔をして、そんな言い方しないでよと、朝山の肩を強くたたいた。すると、仲間達から笑い声が、上がった。

 数時間、話し込んで喫茶店を出て家に帰った。そして、寒さが増したと感じると年末12月となり1975年を迎えた。この頃、栃木、宍戸、朝山は、八王子の予備校に入った。しかし桧山の家に金銭的な余裕がなかった。そこで、不憫に思った栃木が毎週のように桧山を自宅に呼び、余分に買ってきた問題集、参考書を渡し勉強を教えた。

 夏休みになると栃木が桧山に中央大学経済学部の夜間部に入学しろと言った。そうすれば働きながら卒業できると教えた。それでも金が足らないなら奨学金をもらう道もあると書類を取り寄せて渡した。このやさしさに感激して桧山は、栃木に抱きついて泣いた。そして絶対に合格するんだと言い、その後、歯を食い縛って問題集を解いた。

 その後、成績表を提出すると奨学金が下りることになった。やがて1975年の夏休み、4人の仲間たちは、それぞれ受験勉強に取り組んだ。そして、1975年の予備校の一斉テストで栃木、宍戸、朝山は、合格確立75%を超えた。桧山も高校の進学担当の先生に、中央大学経済学部夜間部の合格確立80%と告げられた。

 そこで、体調を崩さないように頑張ってねと栃木に言われた。そして、1975年の年末が過ぎ1976年を迎え、4人で初詣でに行き合格絵馬を奉納してきた。1977年2月受験をして3月の合格発表で、栃木は一橋大学経済学部に合格した。続いて、宍戸は、小金井市の東京農工大学の電子情報工学科へ朝山は、川崎市の明治大学建築科に合格。

 桧山も中央大学経済学部の夜間部に合格できた。1976年3月18日、栃木の家で4人の合格祝いのパーティーを開いた。栃木が、豪華なケーキを用意し全員が合格出来たことを神に感謝して乾杯し、お互いの大学合格を称えあった。その後、桧山は、八王子駅近くの大型スーパーで学生アルバイトとして9時から17時まで働き18時からの22時の授業に出た。
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