第25話 『伝え方の魔術 集める・見抜く・表現する』

文字数 910文字

及川幸久
かんき出版
2021年2月16日 第1刷発行

国際情勢についてYouTubeで発信し、人気YouTuberになった及川さんは、最近自分のチャンネルをban(禁止)されたが、他の人のチャンネルのゲストになったり、新しい自分のチャンネルで情報発信している。しかし、最近そのチャンネルの一つがまたもbanされた。YouTubeだけでなくX(旧ツイッター)やニコニコ動画でも精力的に発信している。

そんな及川さんが、動画を含め、人に話をするとき「伝える」コツを伝授してくれるのがこの本だ。

動画の場合、14分くらい、ライブを除けば長くても及川さんの動画は20分くらいだ。私はこの長さはとてもいいと思う。YouTubeには1時間とか長い動画を出している人もいる。必ずしも悪いとは言わないが、同じことを短い言葉で伝えられるなら、1時間は長すぎる。

また、及川さんは英語式に最初に結論を述べ、その後それを説明している。YouTubeには真逆の人もたくさんいて、センセーショナルなタイトルの後、論点が不明瞭な動画がダラダラ続き、最後まで見ても何が言いたかったのか不明な人も少なくない。時間を無駄にした気がする。

そして及川さんは、国際情勢を語るのに、一次情報に当たるのが重要だと言う。だから英語の公開情報をたくさん読み、もし一次情報がない場合は、信憑性の高い証拠を探す。そのような証拠しかない、あるいは二次情報や三次情報しかない場合は、そのことを正直に言う。不明なことをさもわかったように語ってはいけない。

それから他人に話すときは、その人たちがどんな問題や情報への期待を抱いているかを調査し、その人たちにわかる言葉で語る。当たり前のようだが、言いたいことを好きなように言えばいいわけではない。話を聞いた人の少しでも役に立つには、何をどう伝えるべきか、相手を見て話す。

当たり前のようだが、なかなかできないし、一日の終わりに5分でいいからその日を振り返り「一人反省会」をすると及川さんは語る。もちろん国際情勢アナリストとして調査や勉強も欠かさない。楽しいことを毎日探しているだけの自分は猛反省した。少しでも及川さんの伝え方の努力を真似てみたい。


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み