156.同居人7
文字数 1,086文字
オレが思うに、愛歌は前向きに生きていこうとしているが、小鳥遊は愛歌の顔の傷を見てしまうと前向きに生きられなくなる。
責任感が強いんだろうな。
しばらくは小鳥遊が居候でいいと思うが、愛歌は小鳥遊を徹底的に避ける。
もういいんだってことを分かってもらうしかない。
田所君は、バスケ部の先輩と両思いの小鳥遊君を許せますか?
残念ながら、一生、オレは、あいつを許すことはできない。
土下座したとしても、だ。
オレは愛歌の顔の傷跡のことを知ってしまった。
イジメにあったことも知ってしまった。
小鳥遊がそれで苦しみながら愛歌と生きることを選んだとしても、そんな偽善、オレは許さん。
オレには、小鳥遊への憎しみしかないわ!!!!
夜になったら、小鳥遊君と小鳥遊君が好きな先輩をお招きしようと思っています。
私にできる最善策で、、、
分かった。
愛歌がそういうつもりなら、いいよ。
た、ただいま〜
あれ?
田所は?
愛歌
田所君は、大家族の長男だから忙しいみたい。せっかくだから、小鳥遊君の好きな先輩を紹介して下さい。
初めまして。
女子のバスケ部主将をやってた藍原光莉です。
小田桐さんとは恋人関係を解消したと聞いたんですが、同棲はまだしてるんですね。
近々、小鳥遊君は引っ越ししますよ。
そうしたら、誰の邪魔が入らなくていいんじゃないかな〜と思います。
小鳥遊君とお付き合いしてもいいの?
もちろんです。
小鳥遊君、私に遠慮して好きな人を話してくれなくて、、、
私はもう大丈夫だって再三言っていたにもかかわらず、です。
だから、知り合いのネットワークを使って、藍原さんの携帯番号を入手しました。
そう。そういう事なら伝えておくとね、、、
小鳥遊君には、今度、うちに居候をしてもらうつもりなの。
今まで、小鳥遊君と仲良くしてくれてありがとう。
彼を幸せにして上げるね。
《ふーん。お金にも困らなくて、やりたいこともやらせてもらえそうだなぁ》
藍原さん、幸せにするとか愛歌に言わなくても、、、
私、ひどいことを言ったかなぁ〜
小鳥遊君の受験勉強をする環境を整えようと思っただけなんだけど、、、
これだけはお願いなんですが、、、
ボクは引き続き、愛歌の家庭教師をします。
恋人がいながら、1人暮らしの女性宅にお邪魔するっていう訳には、、、ねぇ、愛歌さん。
あ、あの、、、鍋を作ってみたんで食べて行って下さい。
小鳥遊君が、今の恋人がいながら元カノの家に通うのは非常識かなぁ〜と思います。
責任感でそういう事を言ってたとしても許されません。