(四)-2(完)
文字数 334文字
明は駅の方へ体を向けて数歩歩いてから、まだ立ち上がれない私の方を振り返った。
「僕、気づいたんだ。一番大事なのは自分だって。自分自身なんだって。だから自分を守るんだ。強く生きなきゃって」
何を言っているのよ、明。
「そんな僕のうちにいる大切な人を守るために、僕はこうしているんだよ」
大切な人って……。自分自身ってこと……?
「だからいじめてる奴らを倒さなきゃいけないんだ。彼らは悪魔だからね、勇者になって成敗するんだ」
何を言っているのよ、明。どうしちゃったのよ。
「誰にも話さないでね。そうしないと、僕、房恵も殺さなきゃいけなくなっちゃうから……」
そう言って明は駅の方へと歩いて行った。
私はただ地面にへたり込んだまま、明の背中を見つめることしかできないでいた。
(了)
「僕、気づいたんだ。一番大事なのは自分だって。自分自身なんだって。だから自分を守るんだ。強く生きなきゃって」
何を言っているのよ、明。
「そんな僕のうちにいる大切な人を守るために、僕はこうしているんだよ」
大切な人って……。自分自身ってこと……?
「だからいじめてる奴らを倒さなきゃいけないんだ。彼らは悪魔だからね、勇者になって成敗するんだ」
何を言っているのよ、明。どうしちゃったのよ。
「誰にも話さないでね。そうしないと、僕、房恵も殺さなきゃいけなくなっちゃうから……」
そう言って明は駅の方へと歩いて行った。
私はただ地面にへたり込んだまま、明の背中を見つめることしかできないでいた。
(了)