第二話 手詰まりパーティー
文字数 1,766文字
勇者パーティー、宿屋にて。
そりゃあ、勇者のように圧倒的な技量はないし、魔法使いみたいに魔法力はないし、力や体力じゃ僧侶に勝てないし……いつもお前らの戦闘をぼんやり眺めてるだけの俺の存在意義って何だって話だ。かなり悩んでるんだぞ、これでも。
戦士はさぁ、ガタイはいいし一見強そうに見えるだけで、ぶっちゃけ実戦をまともにこなしたことないだろ。襲いかかってくるモンスターや悪魔の人生のことまで考えてちゃ、そりゃあトドメはさせんぜ。博愛主義者ぶりもほどほどにしとけ。
戦士さん、そんなことで悩まないでください。私は皆さんに支えられて戦ってこられました。私が思わず敵中に先行しても、いつも皆さんが後ろでバックアップしてくれたからこそ、魔王軍をここまで追い詰めることができているんです。皆さんにはいつも感謝ばかりで、どうやってこのご恩をお返しすればいいかいつも考えているんですよ。
実際のところ、うちのパーティーはアンバランスだよなぁ。勇者の実力は神話で語り継がれるレベルとされてるし、僧侶はそこらの冒険者が寄って集って対抗してもどうにもならない一騎当千。
反面、私は魔法協会から推薦されただけ。戦士なんて元々バイトで入ったみたいなものだったし。
反面、私は魔法協会から推薦されただけ。戦士なんて元々バイトで入ったみたいなものだったし。