第1話

文字数 1,641文字

 わたしのなまえは、あかり。
 みんなからは、「めいたんていあかりちゃん」とよばれているわ。
 かずかずのなんじけんをといてきたわたしは、いつもみんなのにんきもの。
 きょうはにじいろくれよんのこうじょうによばれたわ。
「よう、おいでくださった、わしはこうじょうちょうのちょうろうじゃ」
 ちょうろうさんがわたしをでむかえてくれます。
「はじめまして、ちょうろうさん。こんかいはどうしたの?」
 ちょうろうさんはくらいかおをしてこたえます。
「じつは、『かいとうるぱん』からよこくじょうがきたんですわい」
「なんですって、あのるぱんが?かしていただけるかしら?」
 ちょうろんさんがもっていたかーどをわたしはよみあげます。
「なになに、『こんや、くれよんこうじょうからにじたまをいただいちゃうよーん。かいとうるぱん』ですって。ねぇねぇ、ちょうろうさん。にじたまってなにかしら?」
「あれがにじたまじゃよ」
 ちょうろうさんのゆびさすほうをみると、きれいな、なないろにひかるたまがあります。
「とんちんかんちん、えいさっさほい。とんちんかんちん、えいっさっさほい」
 こびとさんたちがりずむよくこえをだしながら、にじたまをたたくと、にじたまのしたにさまざまないろのくれよんがうまれます。
「わぁ、すごいわ!」
 にじたまからうまれたくれよんたちは、いろにわかれて、べるとこんべあにのせられてはこばれます。
「くるくるほいっ、くるくるほいっと」
 こんどはべつのこびとたちが、くれよんをもったときに、てがよごれないようにかみをまいてくれています。
 まきおわったくれよんは、ふたたび、べるとこんべあにのっていき、さいごにくれよんけーすにおさまっていきます。
「わぁ、すごい・・・あっ」
 わたしがかんどうしていると、きゅうにでんきがおちて、あたりがまっくらになりました。

 あわてて、こびとがでんきをつけると、にじたまがなくなっています。
 だいじなにじたまがなくなって、さあ、たいへん!!
 こびとたちはおおあわて。
「たいへんだ、にじたまがなくなっているぞ」
「こまった、こまった。くれよんがつくれなくなっちゃうよーん」
「くれよんだけじゃない、せかいからいろがきえてしまうわ!」
 ひとりのこびとがにげようとするせなかをみつけました。 
「あっ、あそこだ!にじたまはあそこをにあるぞ」
 こびとのひとりがゆびをさすほうこうをみると、にじいろのひかりがこぼれでているしろいふくろをもったおとこが、にかいのまどから、いそいでにげようとしています。きっとるぱんにちがいない!!
「まちなさい!!」
 わたしのこえにるぱんはうしろをむいて、あかんべーをします。
「だれが、まつもんか」

「なら、これでどう!!」
 わたしはなわのろーぷをなげつけると、みごとにるぱんをつかまえたわ。
「うわっ、つかまってしまったー。あっ、やばい」
 るぱんはつかまったひょうしで、にじたまをおとしてしまいます。
 いけない!
 にじたまがじめんにおちてしまう。
「あっ、あぶない!!」
 にじたまは、じめんにおちると、ちいさいにじたまがたくさんぶんれつしました。
 われなくてよかったけれど、なんだかにじたまたちがひかっています。
 こびとのひとりがさけびます。
「ばくはつするぞ!にげろ!!」

 ひゅーーーーーっ、ぱんっ。
 なんと、ちいさなにじたまたちが、そらへとあがっていき、おおきな、おおきなはなびたちにかわりました。
 こびとさんたちも、きれいなはなびにおおよろこび。
「こんなことがおこるなんて、ながくみてきたがはじめだ~」
「ちょうろうさん、ごめんなさい。にじたまをおとしちゃって・・・」
「いやいや、ありがとう、めいたんていあかりちゃん。このとおり、ぶじに、にじたまはかえってきたし、おかげでこんなすてきな、すてきなはなびがみれたわい」
 わたしとちょうろうさんはかたいあくしゅをしました。
 こうして、ちょっとしっぱいもあったけれど、みごとじけんはぶじかいけつ!!
 やったね、わたし。おしまい。

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