第2話 三名の巫女候補 

文字数 715文字

 「お~3人か、順に名前と学年を言ってくれ」

「北川(しおり)です。小学5年。巫女ってバイト代出ますか?」
「月島咲良(さくら)です。小学5年生です。巫女は強制ですか? 塾が忙しくて無理かも」
「宇野花梨(かりん)です。小5。えっと、明日髪を切る予定なので、私関係ないです」

 町会長は呆れたように腕を組んで、
「由緒正しい月読神社の巫女様が降臨するっつーことは、どえらく名誉なことだかんね。3人ともごじゃっぺ言ってねえで、心を澄まし巫女様の声を聞け、で、巫女様が降りたらすぐ報告するように。わかった?」

 私達3人はお互いの顔を見回した。
北川さんと月島さんは、5年生になって初めて同じクラスになった美人系女子。
北川さんは背が高くてスタイルが良く、ちょっぴりクール。
月島さんは月島内科の娘で、成績優秀な眼鏡女子。
私は自分で言うのもなんだけど、ヘアアレンジが得意なキュートで可愛い愛され系女子かな。


 次の日の放課後、黒髪ロング3人でミーティングを開いた。
「ね、ね、この中で巫女様役をやりたい人っている?」

「私やりたい」手を挙げたのは北川さんだった。
「巫女になると少しお小遣いが出て、お礼の品とか(もら)えるって聞いたの。悪いけど私に(ゆず)ってくれないかな? ウチ母子家庭で大変なの。髪だってカットするお金なくて仕方なく一つに結んでいるだけなんだもん」

 私は驚いた。
「どうぞどうぞ、北川さんが巫女様役やってよ。ね、いいよね、月島さん」
月島さんも深く(うなず)いた。
「北川さん、お願い、正直助かる。私、中学受験があるから無理だもん。私もこの三つ編みは、塾が忙しくてカットする時間がとれなくて伸びちゃっただけ」

「ええ~2人ともなにそれ~私はモテたいからロングにして毎日お手入れ頑張っているのに~」


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