34話 捜索 その1

文字数 1,243文字

塩崎は本当にどこへ行ったというのだろうか?昨晩、部屋を代わってくれると言ってくれた塩崎の身に、何が起きたというのだろう?とにかく、僕は全力で塩崎を捜そうと思った。

捜索の時間も限られている。効率的に探さないといけないな。まず、どこから探そうか?

僕は体育館を出た。
僕は学校の入口にやってきた。ひょっとして、塩崎は学校の中にいるのだろうか?今は夏休みなので学校は閉鎖しているはずだ。念のためドアを開けようとしてみたが、やはりカギがかかっていて中には入れない。ガラスでも破らない限り、中には入れないだろう。

他を探そう。
女子寮にやってきた。

・・・

僕は男なので、残念ながら女子寮には入ることはできない。ここは鈴原に任せ、他を当たってみるか。
僕は女子寮の裏にある、焼却炉に来た。

女子寮でたまったゴミは、ここで燃やすらしい。男子寮にある焼却場と大した違いはない。

何か手がかりになる物でもあるだろうか?僕は焼却炉の周辺を見回した。

特に何もない。

そう思って引き返そうとしたとき、足元に何か丸い物が落ちていることに気づいた。かがみ込んで拾ってみる。それは服のボタンだった。

あれっ、僕が落としたのか?慌てて自分の服のボタンがほつれ落ちてないかを確かめた。どうやら僕のボタンじゃないようだ。捨てようかと思ったが、念のため、ポケットにそのボタンをしまい込んだ。

それ以外に手がかりとなりそうな物はない。ついでに、焼却炉の中も見てみるか。僕は鉄の重たい扉を開けてみた。のぞき込むようにして中を見てみる。しかし、暗くてよく見えない。懐中電灯でもあればいいのだが。部屋から持ってこようか?

僕はあきらめて扉を閉めた。
それにしても、もし塩崎が見つからなかったらこの合宿はどうなるのだろう?やっぱり合宿は終了してしまうのだろうか・・・いや、終了するだけで終わるならまだいい。警察に捜索願を出したりして大騒ぎになるかもしれない。

塩崎、本当にお前は、どこに行ってしまったんだ?悪い冗談なら、早く出てきてほしい。・・・他を探そう。
僕は外から食堂の中を覗いてみた。ここからだと奥がよく見えない。食堂を調べるなら、いったん男子寮に入ってから食堂に行ったほうがいい。僕は食堂をあとにした。
僕は、男子寮の裏にある、焼却炉にやって来た。男子寮でたまったゴミは、その週の当番がまとめて捨てて、ここで燃やすのだ。いつもは、ゴミで周辺が散らかっているのだが、夏休みなのできれいに片づけられている。何か手がかりとなるような物はないだろうか?僕は焼却炉のすぐ横にある物置を見た。マンガ雑誌や段ボールが積まれてある。きっと、みんなが夏休みで帰省する時、捨てていったものだろう。

「ん?」

その雑誌のページとページの間に、何か黒いものが挟まっている。僕は気になって抜き出してみた。それは1枚のフロッピーディスクだった。

「どうしてこんな所にフロッピーが・・・?」

パソコンで中身を調べられるかもしれない。僕は無駄だと思いつつも、何となくポケットにしまい込んだ。
つづく
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登場人物紹介

「小川弘樹」

主人公。密かに鈴原あゆみに恋してる普通の高校生。でも鈴原が好きな事はみんなにバレバレ。鈴原が近いと少し声が大きくなるからだ。

最近、ワックスは髪型を自由に変えられる魔法の練り物だと思ってる。

「鈴原あゆみ」

バスケ部のマネージャー。とにかく明るくて、いつも笑顔を絶やさない。
明るすぎて悩み無用と思われてる。そんなわけないでしょ! と一応怒った事もある。
弘樹は怒った顔も可愛いと思った。

「海老原さとる」

バスケ部キャプテン。力強くみんなを引っ張っていく。多少強引なところもある。

あまり女の子の話とかしないので部員に疑われた事もあるが、普通に女の子が好き。らしい。

「武藤純一」

文武両道で、バスケもうまく、頭脳明晰。優しく、皆が熱くなった時も冷静に答えを導こうとする。殴られたら殴り返す男らしい一面も。

いつもメガネがキラリと光る。人の3倍くらい光る。風呂に入る時もメガネをつけるので、体の一部と言われている。横顔になるとメガネのフレームの一部が消えたりはしない。

メガネが外れると3みたいな目になる。

「若宮亮太」

ヤンチャな性格で、言いたい事はズバズバ言う。プーやんをいつもいじってる。背が少し低い。そこに触れると激怒するのでみんな黙っている。

「人をいじっていいのは、逆にいじられても怒らないこと、お笑いの信頼関係が構築されてることが条件だ」と武藤に冷静に指摘されたが、その時も怒った。

沸点が低い。というより液体そのものが揮発してる。

いつもプーヤンをいじってるが、格ゲーでボコられてる。すぐにコントローラーを投げるのでプーヤンにシリコンカバーを装着させられてる。

怖い話とか大好き。

「長野五郎」

略してプーやん。いや、略せてないけど、なぜかプーやんと呼ばれてる。いつも減らず口ばかり叩いてる。若宮にいじられながらも一緒にゲームしたりと仲が良いのか悪いのか謎。ゲームとアニメ大好き。犬好き。

将来の夢はゲームクリエイター。意外と才能あるのだが、恥ずかしいのか黙っている。

エクセルのマクロを少し扱えるので、自分はハッカーの素質があると言った時は武藤にエクセルを閉じられなくするマクロを組まれた。

「塩崎勇次」

おっとりした性格で、人からの頼みは断れない。心配性。
心配しすぎて胃が痛くなる事も多く、胃薬を持ち歩いている。

キャベツは胃に良い、だからキャベジンはキャベジンって言うんだよ、というエピソードを3回くらい部員にしてる。

黒いシルエット。それはが誰なのか、男なのか女なのか、しかし、人である事は確か、という表現ができる。少なくとも猫ではない。

だいたい影に隠れて主人公たちを見てニヤリと笑い、だいたい悪いことをする。
この作品では初っ端からアクティブに大暴れしてる。

酒井先生。バスケ部の顧問だが、スポーツに関する知識はない。

奥さんの出産が近いため、そわそわしている。

織田切努(おだぎり つとむ)。謎の転校生。

夏休みで、寮に慣れるためにやってきたらしい。 

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