「じ」が抜けてる！！

　高校の同級生である私たち夫婦は、当然同い年。

　これまでも喧嘩はありました。

　でも、なんとかかんとか仲良くやってきました。

　なんとかやってこられたのは、ふたりとも笑うことがすきだったからじゃないかな、と思います。

　くだらないこと。
　バカバカしいこと。
　ユーモア。
　冗談。
　ボケツッコミ。

　関西人の血が騒ぐのでしょうか。

　しょうもないことを言って笑う。
　一緒に笑っていれば、思いやりの心も出てくるような気がします。

　最近、一緒に笑う時間がありません。
　夫が忙しい。忙しさでいっぱいいっぱいなのが見て取れます。
　そして、お互い更年期の気配がぷんぷん……。

　ここは耐えどき……そう思いながらも、色々なことが起きます。
　すれ違い、行き違い。
　お互いに不満をぶつけたり……。

　こんなときでも、ほんのひととき、一緒に笑う時間があれば……。

　そう思います。

　ひと月ほど前、家族で夕飯を食べていると息子が話し出しました。

「傘って、できてから形が全然変わってないねんて。だから新しい傘を発明したら、ノーベル賞ものやって先生が言ってた」

　確かに。
　折りたたみか伸ばした状態か、という違いはあるけれど根本的な形状は同じ。

「じゃあ、初めに傘を発明した人はすごいなぁ！今もずっとその形って」
　私が言うと

「だからアンブレラの語源はアンビリーバブルやねん。アンビリーバブル、アンブレーバブル、アンブレラ……」と真面目な顔で話す夫。

「へ〜〜！　そうなんや！　知らんかった」私が感心すると

　ほろ酔い顔で夫が笑う。

「？！」
　騙されたことに気づいた私。
「嘘なん？！」

「わ〜(*^◯^*) しんじゃった〜！　しんじゃった〜！　上手いやろ？　アンブレラとアンビリーバブル」と第３のビール350ml缶１本で良い気分の、うれしそうな夫……。

　……(￣ー￣ )

「うまないわっ。しかも　じ　が抜けてるっ。　死んじゃった　になってる！　信じちゃった　やろ！！」
　くだらないと思いつつも、ちょっと悔しい私。

　ほんとにバカな会話です。

　息子たちも半分呆れながら聞いています。（次男は、俺も学校で言ってみようかな〜なんて思っているかも）

　よく考えたら、抜けているのは「じ」じゃなくて「ち」でした。

　（誤）しんじゃった
　（正）しんじちゃった

　一字違いで大違い（ーー；）

　こんなくだらないことばかり言って笑って、なんとかここまできました。

　笑うのが大好きです。

　夫のくだらないギャグも楽しいのです。
　
　まだまだ道半ばですが、笑いながら一緒に乗り越えていきたい。私はそう思っています。