第24話 秘密トンネルの存在の推定

文字数 563文字

 大津は、かなり早口で説明する。
「突然ですけど、先輩、東京の都心の地下鉄の最初に出来たものの一部は、江戸城の秘密の地下通路をそのまま利用したって、聞かれたことありますか?」
「うー、なんとなくテレビとかで、見たことある」
「では慶心大学の日吉キャンパスの地下に、第二次世界大戦当時、日本海軍の連合艦隊司令部があった話は、ご存知ですか?」
「いや、それは知らないな…」
「戦争末期で旗艦などの艦上での運営が困難になった事など、複数の要因が重なって、慶心大学のキャンパスの割合と端の方ですが、地下壕が設営されたんです。言いたい事は、様々な歴史に絡む地下通路などが、この国には存在してるって事です。今も作られ続けていますが。分かりますか?」
「うん、まあなんとなく(分からない…)」
「もともと湘南宝光学園の敷地は、新兵さんの訓練所と宿舎の土地が払い下げられたもので、今いるここ(・・)は電探(レーダー)施設と高射砲の設営場所で、同じく払い下げられたものです。きちんと確かめる時間は無かったんですが、つなぐ通路が秘かに存在するのではないかと、推定していたんです」
「あるのか、そんなもの? もしや線路が敷かれていて、トロッコがあるとかか? なんか凄えな」
(冒険映画みたいなのを想像して、ちょっと興奮した俺だった)
「トロッコとかじゃないですけど。ここです」
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