私達は店を出て、雨の香港を歩き始めた

文字数 856文字

翌朝、ヴィクトリアハーバーをクルーズする為に、私は路線バスに乗り、フェリー乗り場へと向かっていた。

乗り場に到着し、係留されている船に乗り込み、右舷側のベンチに座った。

あいにくの雨であったが、香港島と九龍島の高層ビル群には圧倒された。

船内のスタッフが飲み物でどうかと勧めてきたが、申し訳ないが遠慮した。

香港に来たことを実感するクルーズだ。また香港に来た時も乗りたいと思った。
 
そろそろ昼食の時間だ。

予め、めぼしをつけていた、ヴィクトリアハーバーを見渡せる飲茶楼に足を運んだが、激混みだった。

とにかく混みすぎていて、レストランに入ることにも整理券を配っていたが、その整理券をもらうにも、列ができていた。

私はそのレストランを断念し、チムサァチョイを歩きながら店を探した。
 
腹は減りすぎていて、飲茶でなくてもよくなった。

鳥肉と、チンゲンサイが添えられたランチメニューの看板のある店の前で、立ち止まった。

が最後、中に入れと手招きされたので、素直にしたがった。

昼食を食べたあと、香港で有名な高級ホテル、ペニンシュラのロビーをブラついた。  

香港はもともとイギリス領だったということで、ここのアフタヌーンティーが有名なようだ。

ガイドブックを持った日本人が、ティーラウンジの前に並んでいた。

ホテルでトイレを借り、マンゴースイーツを食べに、街中にある店に向かった。

地下にあるようなので、階段を降り、店に入った。

店員に4人掛けのテーブルに案内された。

私が座った席の右斜め前に、観光客らしき女性が座っていて、マンゴープリンを食べていた。

私はマンゴーパフェを注文した。
美味かった。
夢中になって食べた。

「あのー、日本人の方ですか?」

顔を上げると、斜め前に座っている女性が私に話しかけてきた。

「はい。日本から一人で旅行に来ています。」

と私は答えた。

彼女は一人でアジアを周遊していて、明日香港から日本に帰るとのことだった。

「もし、この後ご予定がなければ一緒に周りませんか?」

とその女性は言った。


私達はその店を出て、雨の香港を歩き始めた。
 
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