第15話 テンタクラフト
文字数 1,452文字
白い影は隊列をなし、1つ1つが強烈な一撃を伴ってディザイアに突進していく。
「クソが!!」
ディザイアは触手で白い影を叩き落とすが、それでも確実に触手の表面は剥がれ、千切れた。千切れた触手は地面の上でビチビチッとのたうち回っている。
ディザイアは、ああ!と唸り、触手を広範囲に伸ばした。
「テンタクラフト・“ブランチマン”!!」
「なんだあれは……?」
幹である触手から更に人型の触手が生え、人型の触手が細い触手を伸ばし始めた。
太い触手が円を描き、人型の触手がお互いに協力し合うように光の影を引き千切り、あるいは捻って押しつぶした。
「ひひひひひ、光一郎くん、悪あがきは終わったかい。」
「…………」
僕は逃げることだけを考えていた。
「そう♡ えらいえらい。きちんと諦めることができたね。じゃあ、いただきます。」
ディザイアが触手を伸ばしたかと思うと、全ての触手が地面の上で飛び跳ねていた。
「……あ?」
ディザイアは自分の右後方から巨大な黒い槌が迫っているのに気付かずに、遥か彼方へと叩き飛ばされた。
「何苦戦してんだよ。」
「ネイビー……」
「お前の持ってる物はなんだ?白の宝珠を持ってりゃホントーに気合いだけでなんとかなるんだよ。こんな奴相手に心が折れてちゃ直ぐに死ぬぜ。」
「おいおいおーい。今ので勝ったと思ってんのか?あの体はもうとっくに抜け殻なんだよ。本体はここだぜ。」
「ど、どこだ!」
「そこだな。」
僕とネイビーの視線の先には、宝珠と同じくらいに小さな玉が落ちている。
玉は細い触手で周りに落ちた自分の残骸を手繰り寄せ、メキメキと体を作り上げ、皮膚の表面からは顔がズルズルと気持ち悪く浮かび上がってきた。
「目ーが出て膨らんで、はーなが咲いて枯れちゃって、クルッと回してクルッと回してディザイアちゃんの出来上がり♡」
「おえー……」
僕は口を手で覆い、後ずさりした。
ネイビーは僕の肩を掴んで言った。
「だから気持ちで負けんじゃねえよ。妖魔にはこいつみてえな気持ち悪いのがうじゃうじゃいるぜ。」
ディザイアは胸から触手を出したり引っ込めたりして遊んでいる。
「君さ君さぁ?右側一世だよね。聞いたから知ってるよん。俺はお前も欲しいなあ。」
「あいにくだがてめえみたいのに飼われる趣味はねえよ。」
「いや、絶対手に入れるよ!
…だってお前の事ばっか考えてっと俺、今日にでも不眠症になっちゃうもん。」
ディザイアの腹から無数の細い管が飛び出し、落ちている触手全てに差し込まれた。
「テンタクラフト・“ダムポーン”」
脈打つ触手から人型の触手が生え、なんと根元を切り離し2本足で立った。
「ダムポーンは1つ1つが触手を操る俺の忠実なる兵隊だ。強さが吸収した人間に準拠しちまう欠点だがよ…」
ダムポーンの一体が光一郎に鉛筆ほどの太さの液体を射出した。
その液体が光一郎に当たる直前に、ネイビーがグイと光一郎を自分の方へと体を傾けさせた。
液体は直ぐに固まり、光をキラキラと反射させている。
「ダムポーンの液体触手は粘度も速度も速乾性も抜群さ!2人まとめいただいちゃうぜえ。」
「ありがとうネイビー。」
ネイビーは光一郎の頭を軽くはたいて言った。
「油断するな。敵をよく見ろ。俺の必殺技が使えたんだ。お前1人であいつに充分勝てるぜ。」
「クソが!!」
ディザイアは触手で白い影を叩き落とすが、それでも確実に触手の表面は剥がれ、千切れた。千切れた触手は地面の上でビチビチッとのたうち回っている。
ディザイアは、ああ!と唸り、触手を広範囲に伸ばした。
「テンタクラフト・“ブランチマン”!!」
「なんだあれは……?」
幹である触手から更に人型の触手が生え、人型の触手が細い触手を伸ばし始めた。
太い触手が円を描き、人型の触手がお互いに協力し合うように光の影を引き千切り、あるいは捻って押しつぶした。
「ひひひひひ、光一郎くん、悪あがきは終わったかい。」
「…………」
僕は逃げることだけを考えていた。
「そう♡ えらいえらい。きちんと諦めることができたね。じゃあ、いただきます。」
ディザイアが触手を伸ばしたかと思うと、全ての触手が地面の上で飛び跳ねていた。
「……あ?」
ディザイアは自分の右後方から巨大な黒い槌が迫っているのに気付かずに、遥か彼方へと叩き飛ばされた。
「何苦戦してんだよ。」
「ネイビー……」
「お前の持ってる物はなんだ?白の宝珠を持ってりゃホントーに気合いだけでなんとかなるんだよ。こんな奴相手に心が折れてちゃ直ぐに死ぬぜ。」
「おいおいおーい。今ので勝ったと思ってんのか?あの体はもうとっくに抜け殻なんだよ。本体はここだぜ。」
「ど、どこだ!」
「そこだな。」
僕とネイビーの視線の先には、宝珠と同じくらいに小さな玉が落ちている。
玉は細い触手で周りに落ちた自分の残骸を手繰り寄せ、メキメキと体を作り上げ、皮膚の表面からは顔がズルズルと気持ち悪く浮かび上がってきた。
「目ーが出て膨らんで、はーなが咲いて枯れちゃって、クルッと回してクルッと回してディザイアちゃんの出来上がり♡」
「おえー……」
僕は口を手で覆い、後ずさりした。
ネイビーは僕の肩を掴んで言った。
「だから気持ちで負けんじゃねえよ。妖魔にはこいつみてえな気持ち悪いのがうじゃうじゃいるぜ。」
ディザイアは胸から触手を出したり引っ込めたりして遊んでいる。
「君さ君さぁ?右側一世だよね。聞いたから知ってるよん。俺はお前も欲しいなあ。」
「あいにくだがてめえみたいのに飼われる趣味はねえよ。」
「いや、絶対手に入れるよ!
…だってお前の事ばっか考えてっと俺、今日にでも不眠症になっちゃうもん。」
ディザイアの腹から無数の細い管が飛び出し、落ちている触手全てに差し込まれた。
「テンタクラフト・“ダムポーン”」
脈打つ触手から人型の触手が生え、なんと根元を切り離し2本足で立った。
「ダムポーンは1つ1つが触手を操る俺の忠実なる兵隊だ。強さが吸収した人間に準拠しちまう欠点だがよ…」
ダムポーンの一体が光一郎に鉛筆ほどの太さの液体を射出した。
その液体が光一郎に当たる直前に、ネイビーがグイと光一郎を自分の方へと体を傾けさせた。
液体は直ぐに固まり、光をキラキラと反射させている。
「ダムポーンの液体触手は粘度も速度も速乾性も抜群さ!2人まとめいただいちゃうぜえ。」
「ありがとうネイビー。」
ネイビーは光一郎の頭を軽くはたいて言った。
「油断するな。敵をよく見ろ。俺の必殺技が使えたんだ。お前1人であいつに充分勝てるぜ。」