プロット
文字数 1,558文字
【起】
主人公の南見紬 は、一芸に秀でた子供が集められる私立中学校、月代学院の二年生。一見普通の学生と変わらない紬だが、人の心が具現化して視えるという力を持っていた。具現化した心は動物の形を取り、その動物の特徴が本体の特徴と重なる。例えば、ヤンキーのような見た目なのに、心の形が弱弱しいネズミならその人は臆病だといった風に。
そして具現化した動物は、本体が心で思っていることをプラカードを掲げて一言で教えてくれる。本体が「紬ちゃん頭が良くて大好き」って言ったとしても、動物のプラカードには「きらい」と書いてあったりする。両親にも信じてもらえず、人の裏表で疲れた紬は、逆に力を利用して当たり障りのない人間関係を築く。
そんな人の気持ちに敏感な紬は、気づけば学校でミス処世術と頼られるように。
【承】
新年度、紬のクラスにイケメン転校生がやってきた。転校生の名前は橘伊織 で、ティーンファッション誌で大人気のモデルだった。明るい人柄もあってあっという間にクラスになじんだ伊織だが、心が視える紬はそのアイドルのような性格が全て嘘だと気づく。二面性があるタイプかとひそかに距離を取ろうとした紬だが、「南見になら安心して任せられるな」と担任に伊織の世話を押し付けられてしまう。
いつものように当たり障りなくやり過ごそうとした紬だが、伊織の心である狼が『しんどい』『つかれた』『こわい』と怯えながらプラカードを振るのでどうしても気を取られる。今にも倒れそうなほどに弱っている心と真逆のことをする伊織に、紬は我慢できずつい口を出してしまう。本心を見破られた伊織はすでに限界だったため、特に疑わずにミス処世術に悩みを打ち明けた。
【転】
伊織は小さい頃から大人たちに紛れてモデル仕事をしていたせいで、人の感情の機微にとにかく鈍い。今まではそれでもやっていけたが、そろそろ顔の良さだけでやっていくのが難しくなってきたとのこと。いろいろ頑張っているものの、どれも空回りばかりで途方にくれていたところ、マネージャーが同年代の子供たちと触れ合うのはどうだと転校を決めたらしい。
そんな一生懸命に頑張る姿に紬は評価をあらため、力のことを明かして協力することにした。紬は学校だけじゃなく撮影現場にまで連れていかれ、ひたむきに頑張る伊織に振り回されていく。素直に頼ってくる伊織に、紬は「世の中酷いことを考えている人間ばかりじゃない」とだんだん心を開いていく。
【結】
的外れな発言する伊織だが、本人は人の気持ちが読み取れないだけで何も感じないわけじゃない。それに気づいた紬のおかげで伊織はだんだんと正しく感情を読み取れるようになっていたが、伊織と懇意にしているカメラマンは人間らしくなった伊織が気に食わなかった。「空っぽでお人形のような伊織だから綺麗で、カメラ映えするんだ。雑念を入れるんじゃない」と怒る。
自分は他人が望む自分を演じていた方がいいのか?と後悔する伊織に、紬ははっきりと否定して、今の伊織の方が好きだという。そして紬は、カメラマンは腕がよくなく、繊細な撮影に対応できない自分の弱さを認めたくないんだと見抜く。「そんな理由で伊織の感情を殺さないでください。伊織はあなたの金儲け道具じゃない」
小さい頃から伊織がこうなるように仕向けていたのもカメラマンだった。「でもあの人が怒ったってことは、伊織がちゃんと変わったってことだよ」「その証拠にほら、今の伊織ならってたくさんの依頼が来てるよ」
それに素直に嬉しそうにした伊織だが、次の瞬間には顔を曇らせた。「もう、紬は一緒にいてくれない?」プラカードには『さみしい』と。「そんなわけない。私たちはもう友達だよ」と返した紬の目に映ったのは『すき』というプラカードだった。(友達だからね。私も好きだよ)
主人公の
そして具現化した動物は、本体が心で思っていることをプラカードを掲げて一言で教えてくれる。本体が「紬ちゃん頭が良くて大好き」って言ったとしても、動物のプラカードには「きらい」と書いてあったりする。両親にも信じてもらえず、人の裏表で疲れた紬は、逆に力を利用して当たり障りのない人間関係を築く。
そんな人の気持ちに敏感な紬は、気づけば学校でミス処世術と頼られるように。
【承】
新年度、紬のクラスにイケメン転校生がやってきた。転校生の名前は
いつものように当たり障りなくやり過ごそうとした紬だが、伊織の心である狼が『しんどい』『つかれた』『こわい』と怯えながらプラカードを振るのでどうしても気を取られる。今にも倒れそうなほどに弱っている心と真逆のことをする伊織に、紬は我慢できずつい口を出してしまう。本心を見破られた伊織はすでに限界だったため、特に疑わずにミス処世術に悩みを打ち明けた。
【転】
伊織は小さい頃から大人たちに紛れてモデル仕事をしていたせいで、人の感情の機微にとにかく鈍い。今まではそれでもやっていけたが、そろそろ顔の良さだけでやっていくのが難しくなってきたとのこと。いろいろ頑張っているものの、どれも空回りばかりで途方にくれていたところ、マネージャーが同年代の子供たちと触れ合うのはどうだと転校を決めたらしい。
そんな一生懸命に頑張る姿に紬は評価をあらため、力のことを明かして協力することにした。紬は学校だけじゃなく撮影現場にまで連れていかれ、ひたむきに頑張る伊織に振り回されていく。素直に頼ってくる伊織に、紬は「世の中酷いことを考えている人間ばかりじゃない」とだんだん心を開いていく。
【結】
的外れな発言する伊織だが、本人は人の気持ちが読み取れないだけで何も感じないわけじゃない。それに気づいた紬のおかげで伊織はだんだんと正しく感情を読み取れるようになっていたが、伊織と懇意にしているカメラマンは人間らしくなった伊織が気に食わなかった。「空っぽでお人形のような伊織だから綺麗で、カメラ映えするんだ。雑念を入れるんじゃない」と怒る。
自分は他人が望む自分を演じていた方がいいのか?と後悔する伊織に、紬ははっきりと否定して、今の伊織の方が好きだという。そして紬は、カメラマンは腕がよくなく、繊細な撮影に対応できない自分の弱さを認めたくないんだと見抜く。「そんな理由で伊織の感情を殺さないでください。伊織はあなたの金儲け道具じゃない」
小さい頃から伊織がこうなるように仕向けていたのもカメラマンだった。「でもあの人が怒ったってことは、伊織がちゃんと変わったってことだよ」「その証拠にほら、今の伊織ならってたくさんの依頼が来てるよ」
それに素直に嬉しそうにした伊織だが、次の瞬間には顔を曇らせた。「もう、紬は一緒にいてくれない?」プラカードには『さみしい』と。「そんなわけない。私たちはもう友達だよ」と返した紬の目に映ったのは『すき』というプラカードだった。(友達だからね。私も好きだよ)