(5)
文字数 552文字
「とにかく、あたためてあげなくちゃ」
もぐらは、その、たおれているだれかさんをだきかかえて、じぶんの家につれていこうとしました。地面の下にある、穴の家です。
よいしょ、よいしょ。
でも、だめです。入り口がせますぎて、つかえてしまうのです。
「こまったなあ。なんて長い尾羽なんだ」
もぐらはがんばりました。土をほって、穴の入り口をひろげました。冬の土は、冷たくてかちかちで、もぐらの前足は、すっかりしびれてしまいました。
やっと入り口がひろくなると、もぐらは、じんじんいたむ前足に、そのだれかさんをかかえて、家の中へはこびこみました。そして、ふかふかの落ち葉のベッドにねかせて、お湯をわかしはじめました。
でも、お湯って、はやくわかないかな、と、おもうときほど、なかなかわかないものですよね。
「ああ、もう、じれったいなあ」
待ちきれなくて、もぐらが、そのだれかさんを、胸にかかえてあたためはじめたときです。
「もぐらくーん、いるかい?」
おもてで、はりねずみの、のんびりした声がしました。
「ごめんよ、はりねずみくん。ぼく、いま、ちょっと手がはなせないんだ」
長い羽のたばをかきわけて、顔を出したはりねずみは、ちっちゃな目をぱちくり。
だって、もぐらがあたためているのは――
そう、くじゃくの王さまなんですから!
もぐらは、その、たおれているだれかさんをだきかかえて、じぶんの家につれていこうとしました。地面の下にある、穴の家です。
よいしょ、よいしょ。
でも、だめです。入り口がせますぎて、つかえてしまうのです。
「こまったなあ。なんて長い尾羽なんだ」
もぐらはがんばりました。土をほって、穴の入り口をひろげました。冬の土は、冷たくてかちかちで、もぐらの前足は、すっかりしびれてしまいました。
やっと入り口がひろくなると、もぐらは、じんじんいたむ前足に、そのだれかさんをかかえて、家の中へはこびこみました。そして、ふかふかの落ち葉のベッドにねかせて、お湯をわかしはじめました。
でも、お湯って、はやくわかないかな、と、おもうときほど、なかなかわかないものですよね。
「ああ、もう、じれったいなあ」
待ちきれなくて、もぐらが、そのだれかさんを、胸にかかえてあたためはじめたときです。
「もぐらくーん、いるかい?」
おもてで、はりねずみの、のんびりした声がしました。
「ごめんよ、はりねずみくん。ぼく、いま、ちょっと手がはなせないんだ」
長い羽のたばをかきわけて、顔を出したはりねずみは、ちっちゃな目をぱちくり。
だって、もぐらがあたためているのは――
そう、くじゃくの王さまなんですから!