第4話 恐喝事件
文字数 1,313文字
久しぶりにカツアゲでもしようかと、克明は家を飛び出しました。まずは第1中学校に繰り出したのですが、優等生タイプのカモはなかなか出てきません。出てくるのは、喧嘩が強そうな、ガタイのいい体育会系ばかりです。
克明は唾をペッと吐き出し、第2中学校へ繰り出しました。しかし、そこは女子中学生しか出てきません。おかしいな。と校門を見ると第2女子中学校と記載されております。落ちぶれている克明でも、女子からお金を巻き上げるなんて真似はしません。
何故なら克明は33歳だからです。そんな下劣な行為はできないのです。
気を取り直して、第4中学校に移動した克明ですが、そこはチンピラがやや多く、評判のよろしくない中学校でした。モヒカン、リーゼント、スキンヘッド、モヒカン、金髪、モヒカンと多様な髪型を施した生徒がちらほら見受けられます。ちょうど、その中の1人と目が合ってしまった克明はコンビニエンスストアの裏に呼び出されました。
5人がかりでは手も足も出ません。殴られ、蹴られ、肋骨を1本やられたあたりで、克明は思い切って声を出しました。「待て!お前ら!この学校で田中って奴知らねえか?」
「は?知らねえよ。そんな奴」金髪リーゼントで短ランを着た中坊がガムを噛みながら答えます。克明はすかさず畳みかけます。「そいつがよぉ。オレの妹をよう、乱暴しやがったんだよぉ!」「な、なんだって!?た、田中ってあの大人しそうな6組の奴じゃねえか?本当かよ。」金髪リーゼントは軽々と信じます。
「本当なんだよ。今すぐ手術しなくちゃいけねえんだよ。ただ、金がねえ。7千円足りねえんだよ。」「えっ?7千円?それだけで良いのか?お前ら、いくら持ってる?」金髪リーゼントが他の4人のモヒカンに尋ねました。「オレ2千円」「俺は1500円」「ボクは5千円」「拙者は1980円」「そうか、じゃあそれぞれ1000円ずつもらって俺が3000円出す!今すぐ妹を助けに行ってこい!」金髪リーゼントは涙ながらに言いました。男気がある、彼はリーダー的存在で仲間からの人望も熱いのです。
金髪リーゼントにスクーターに乗せられて第8病院に着いた克明は金髪リーゼントと硬い握手をしてから病院内に入りました。しかし、勿論病院には行かず、裏口から病院を出て、自宅の団地に入りました。克明は9階まで階段で登ります。エレベーターの使用は禁止されているからです。扉を開けるとおばちゃんがいます。
「おお、克明。ちゃんと持ってきたか?」「はい。7千円持ってきました!」「1万円って言ったじゃねえかボケ!」お腹にパンチをくらい克明は膝をつきました。克明はこのよく分からないおばさんに飼われています。言いつけを守らないと電気を受け、食事も睡眠も制限され大変です。ある日出会ったこのおばさんはボディガードのようなおっさんを従え、いつの間にか、克明達の生活を乗っ取ったのです。
話を聞いているとどうやら、克明のような扱いを受けている人間があと10人はいるようです。非常に巧妙でみんな逆らえないのです。
時は流れ、11年後ようやく、克明が警察に駆け込み、事件化され、おばさんと取り巻きは逮捕されました。非常に由々しき事件でありました。
克明は唾をペッと吐き出し、第2中学校へ繰り出しました。しかし、そこは女子中学生しか出てきません。おかしいな。と校門を見ると第2女子中学校と記載されております。落ちぶれている克明でも、女子からお金を巻き上げるなんて真似はしません。
何故なら克明は33歳だからです。そんな下劣な行為はできないのです。
気を取り直して、第4中学校に移動した克明ですが、そこはチンピラがやや多く、評判のよろしくない中学校でした。モヒカン、リーゼント、スキンヘッド、モヒカン、金髪、モヒカンと多様な髪型を施した生徒がちらほら見受けられます。ちょうど、その中の1人と目が合ってしまった克明はコンビニエンスストアの裏に呼び出されました。
5人がかりでは手も足も出ません。殴られ、蹴られ、肋骨を1本やられたあたりで、克明は思い切って声を出しました。「待て!お前ら!この学校で田中って奴知らねえか?」
「は?知らねえよ。そんな奴」金髪リーゼントで短ランを着た中坊がガムを噛みながら答えます。克明はすかさず畳みかけます。「そいつがよぉ。オレの妹をよう、乱暴しやがったんだよぉ!」「な、なんだって!?た、田中ってあの大人しそうな6組の奴じゃねえか?本当かよ。」金髪リーゼントは軽々と信じます。
「本当なんだよ。今すぐ手術しなくちゃいけねえんだよ。ただ、金がねえ。7千円足りねえんだよ。」「えっ?7千円?それだけで良いのか?お前ら、いくら持ってる?」金髪リーゼントが他の4人のモヒカンに尋ねました。「オレ2千円」「俺は1500円」「ボクは5千円」「拙者は1980円」「そうか、じゃあそれぞれ1000円ずつもらって俺が3000円出す!今すぐ妹を助けに行ってこい!」金髪リーゼントは涙ながらに言いました。男気がある、彼はリーダー的存在で仲間からの人望も熱いのです。
金髪リーゼントにスクーターに乗せられて第8病院に着いた克明は金髪リーゼントと硬い握手をしてから病院内に入りました。しかし、勿論病院には行かず、裏口から病院を出て、自宅の団地に入りました。克明は9階まで階段で登ります。エレベーターの使用は禁止されているからです。扉を開けるとおばちゃんがいます。
「おお、克明。ちゃんと持ってきたか?」「はい。7千円持ってきました!」「1万円って言ったじゃねえかボケ!」お腹にパンチをくらい克明は膝をつきました。克明はこのよく分からないおばさんに飼われています。言いつけを守らないと電気を受け、食事も睡眠も制限され大変です。ある日出会ったこのおばさんはボディガードのようなおっさんを従え、いつの間にか、克明達の生活を乗っ取ったのです。
話を聞いているとどうやら、克明のような扱いを受けている人間があと10人はいるようです。非常に巧妙でみんな逆らえないのです。
時は流れ、11年後ようやく、克明が警察に駆け込み、事件化され、おばさんと取り巻きは逮捕されました。非常に由々しき事件でありました。