3 ❀ サンバ いもがらぼくと

文字数 936文字

ヤスジィが「風のリズム」をつかむためにと、白鳥の湖を舞っていた。

アン、ドゥ、トロワ~、ここでくるっとスピンじゃ!
・・・・・・。
・・・・・・。

ふぅ、ざっとこんな感じじゃ。


白鳥の湖は、風のリズムをつかむのに良い曲や。


さぁ、次はおまえたちも一緒におどるんじゃ!

えええ!?

誰がやるか! 

いつからそこにいたのか、ヤスジィの背後から鋼がほえた。

また、こんジィさんはふざけちょってからに。


なんで白鳥の湖、おどっちょっとか

ちゃんとした気功法の授業やぞ。


バレエが効果的やって、長年の研究で分かってな


身体もやわらかくなって、一石二鳥や

おれが教わった時は、フラダンスが一番いい  って、言いよったやないか。

や、俺ん時は、サンバ だったぞ

わ、殿下!? いつの間に!?


ええと……どんなサンバ?

サンバ いもがらぼくと、って言うてな。


いもがらぼくと っていうのは、


里芋さといも
 
芋茎いもがら で出来た木刀
のようなことや。

の男の…サンバ

そ。いもがらぼくと嫁さんをもらって喜んどる歌でな、祝いのサンバ


俺はいつでも歌えるし、踊れるよ~♪

殿下は、腰をふりふり左右に動かす。


ヤスジィも、殿下のとなりで踊り出した。

やっぱりサンバの方が楽しい!


バレエよりサンバや!

さっきは、バレエが良いって言っていたのに
もうなんでもいいんじゃない?
萌栄、発! さっそく練習や!

二人で仲良く踊っとれい。やっちょられんわ!


別に踊らんでも、風の術はおぼえられる!


もう基本は習ったっちゃろ? やったら細かいところは、おれが教える

は、萌栄の手をつかむと駆け出した。
あ、逃げた。躍ればいいのに~、俺が教えちゃるのに~
もっとイヤや!
こぉら、待たんかぁ―い!!
おじいちゃん…ごめーん!
遁走の術は、まだ他にもあるとぞ――!!
遁走ん術の実践やわ!
遁走は、逃げの技のことだからだ。
行けぇ――っ、走れぇ―――っ、逃げろぉ――!!

( 身体が軽い! 鋼と手をつないでいるからね、きっと )

背中に羽が生えているみたい!

鋼は、風遁の術を使える。


つないだ手から、萌栄と発に「彼の風」が分けられているのだ。

(この前と同じ感覚だわ。走るのが楽しい、逃げるのも楽しい!!
引きとめようとするヤスジィにさからい、三人は全力で逃げた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

日高萌栄 (ひだか・もえ


中学2年生、13才の少女。

カピバラをこよなく愛する。

重黒木 鋼じゅうくろぎ・はがね


中学2年生、13才の少年。機械いじりが得意。

椎葉 発(しいば はつ)


中学2年生、13才。

萌栄の友達。花火師の孫。

黒木 殿下(くろき でんか)


萌栄のライバル

那須 雨音(なす あまね)


殿下の友達。

黒木 媛(くろき ひめ)


殿下の妹

日高 結芽(ひだか ゆめ)


萌栄のお母さん

日高 地平(ひだか ちへい)


萌栄のお父さん

日高 雲水(ひだか うんすい)


萌栄の祖父

重黒木 功(じゅうくろぎ こう)


鋼のお父さん

重黒木 理玖 (じゅうくろぎ りく)


鋼のお母さん

椎葉 康次(しいば やすじ)


発の祖父。花火師

黒木 智子(くろき ともこ)


殿下、媛のお母さん。

黒木 未夏 (くろき みか)


クラスメイト

中武 陽(なかたけ はる)


クラスメイト

那須 貴也(なす たかや)


クラスメイト

那須 由子(なす ゆうこ)


クラスメイト

お殿様。


西方の里を治める、お殿様。

南朝の忠臣、その子孫。

忠平(ただひら)


お殿様が助けた忍者。

加藤清正に仕えていたが、毒殺の濡れ衣をかけられ、逃げてきた。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色