プロット
文字数 1,278文字
【起】
主人公の森園優 は、つい最近東京から、周りを山に囲まれた田舎に引っ越して来たばかりの小学5年生。小柄で、名前のわりに運動神経ぐらいしか優れているところのない彼は、初めての転校に緊張していた。みんなと仲良くなれることを祈りつつ教室に入ると、優の心配をよそに、クラスメイト達は優に興味津々。「東京の学校では何してたの?」「兄弟いる?」「好きな給食のメニューは?」などと昼休みと放課後に彼を取り囲んでは質問攻め。
平和な学校生活を手に入れるべく、クラスメイト達の質問に丁寧に答えていた優だったが、隣の席の女子が放った「ねぇ、森園君って、怖い話好き? この学校ね、七不思議があるんだよ」という質問に「うん」と答えてしまう。
【承】
怖い話は好きでも嫌いでもないのでウソを言ったわけではないのだが、クラスメイト達から「怖い話が大好きな転校生」と認識されることに。
それから、放課後になると優の周りには学校にまつわる怪談を話す生徒が現れるようになった。「放課後の教室で好きな人と両想いになれる『ヴィーナス様』というおまじないをやると、両想いになれる代わりに好きな人に不幸が降りかかってしまう」「午後4時44分にケイドロすると、鬼がいつの間に増えていて、あの世に連れ去られる」「図書館の本の中に表紙が真っ黒い本があって、その本を読むと頭がおかしくなってしまう」
挙句の果てには担任の先生まで、「子供のころ、給食室に給食のおばさんの幽霊が出るって噂があったから、肝試ししたことあるんだよね」などと話をしていく始末。
【転】
そうして、七不思議の6つ目まで聞いたある日の放課後。優は、音楽室に消しゴムを忘れたことに気づき、音楽室へと取りに向かう。教室の前に立つと、ピアノの音色が聞こえてきた。そっと扉を開けて中を覗くと、6年生ぐらいの年の少女がピアノを弾いているのが見えた。彼女は優に気づくと、「あ。君、最近転校してきた子でしょ。確か怖い話が大好きで、学校の七不思議について調べてるとか。私も1つ知ってるから、教えてあげるね!」と微笑み、「七不思議を全て知ってしまったらどうなるんだろう」と怯える優をそっちのけで話始めた。
【結】
音楽室で6年生の少女が話してくれたのは、「8年前に合唱コンクール全国大会目前に交通事故で亡くなった伴奏係の少女が、放課後になるとピアノを弾いている」という話だった。話し終わった直後に、「これ、本当にあった話だからね!ウソだと思うなら、先生に聞いてみたら?」と少女に言われたことが妙に気になって、優は学校に8年前からいた教頭先生に質問してみた。
教頭先生は、神妙な顔をしながらも優がきいた話は事実だと認め、「生前明るかったあの子が、恨みを持った怖い存在のように思われてしまうのは悲しい。これ以上、他の人に噂を広めないように」と口止めした。その上でこっそりと優を図書室に連れて行って、8年前の卒業アルバムを見せてくれることに。
「この子が、そうだよ」そう言って教頭先生が指さした写真には、優に音楽室で怪談を話してくれた女の子が笑顔で映っていた。
主人公の
平和な学校生活を手に入れるべく、クラスメイト達の質問に丁寧に答えていた優だったが、隣の席の女子が放った「ねぇ、森園君って、怖い話好き? この学校ね、七不思議があるんだよ」という質問に「うん」と答えてしまう。
【承】
怖い話は好きでも嫌いでもないのでウソを言ったわけではないのだが、クラスメイト達から「怖い話が大好きな転校生」と認識されることに。
それから、放課後になると優の周りには学校にまつわる怪談を話す生徒が現れるようになった。「放課後の教室で好きな人と両想いになれる『ヴィーナス様』というおまじないをやると、両想いになれる代わりに好きな人に不幸が降りかかってしまう」「午後4時44分にケイドロすると、鬼がいつの間に増えていて、あの世に連れ去られる」「図書館の本の中に表紙が真っ黒い本があって、その本を読むと頭がおかしくなってしまう」
挙句の果てには担任の先生まで、「子供のころ、給食室に給食のおばさんの幽霊が出るって噂があったから、肝試ししたことあるんだよね」などと話をしていく始末。
【転】
そうして、七不思議の6つ目まで聞いたある日の放課後。優は、音楽室に消しゴムを忘れたことに気づき、音楽室へと取りに向かう。教室の前に立つと、ピアノの音色が聞こえてきた。そっと扉を開けて中を覗くと、6年生ぐらいの年の少女がピアノを弾いているのが見えた。彼女は優に気づくと、「あ。君、最近転校してきた子でしょ。確か怖い話が大好きで、学校の七不思議について調べてるとか。私も1つ知ってるから、教えてあげるね!」と微笑み、「七不思議を全て知ってしまったらどうなるんだろう」と怯える優をそっちのけで話始めた。
【結】
音楽室で6年生の少女が話してくれたのは、「8年前に合唱コンクール全国大会目前に交通事故で亡くなった伴奏係の少女が、放課後になるとピアノを弾いている」という話だった。話し終わった直後に、「これ、本当にあった話だからね!ウソだと思うなら、先生に聞いてみたら?」と少女に言われたことが妙に気になって、優は学校に8年前からいた教頭先生に質問してみた。
教頭先生は、神妙な顔をしながらも優がきいた話は事実だと認め、「生前明るかったあの子が、恨みを持った怖い存在のように思われてしまうのは悲しい。これ以上、他の人に噂を広めないように」と口止めした。その上でこっそりと優を図書室に連れて行って、8年前の卒業アルバムを見せてくれることに。
「この子が、そうだよ」そう言って教頭先生が指さした写真には、優に音楽室で怪談を話してくれた女の子が笑顔で映っていた。