第23話:COP21、熊本地震、自然災害

文字数 1,852文字

 パリ同時テロを受け、英仏がシリアの「イスラム国」拠点への本格空爆に踏み切った。こうした米主導の有志連合に加え、ロシアもアサド政権を支援する立場からシリア空爆を9月に開始。「イスラム国」に対する国際的包囲網が強まっている。9月シリアを中心に中東やアフリカの紛争や迫害を逃れ、欧州を目指す難民が急増した。

 粗末な船などに乗った難民が連日大量にヨーロッパをめざし、押し寄せた。それに対し国境にフェンスを設けて流入を抑える国も現れた。9月にトルコの海岸に打ち上げられた3歳男児の遺体写真が、報じられると世界的に受け入れの動きが、広がり、欧州最大の受け入れ国ドイツのメルケル首相は、ノーベル平和賞候補になった。

 欧州連合「EU」は、加盟国全体で16万人を分担して受け入れることを決めたが、既に100万人以上が欧州入りし、対策は追い付いていない。11月のパリ同時テロでは、一部の容疑者が難民に紛れて欧州入りしたことが判明し、テロリスト流入対策の不備が顕在化した。欧州各国は国境審査を相次いで強化しており、欧州統合の柱である「域内移動の自由」も揺らいでいる。

 パリ郊外で11月30日から開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議「COP21」は、2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」を採択した。新枠組みの合意は現行の枠組みである京都議定書以来、18年ぶり。京都議定書が、先進国だけに温室効果ガスの削減義務を課した。

 それに対し、パリ協定は、途上国を含む196の全締約国に温室ガス削減目標の提出や5年ごとの見直しを義務付ける。COP21では、初日に安倍晋三首相、オバマ米大統領、習近平中国国家主席ら約150カ国の首脳が参加する会合を開き、温暖化対策への決意を確認。協定には、産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を2度未満に抑えることを目標。

 上昇幅を1.5度未満にするよう努力する方針なども盛り込んだ。一方日本では、2016年4月14日午後9時26分ごろ、熊本県を震源とする地震が発生し、同県益城町で震度7を観測。地震の規模マグニチュード6.5、震度7が記録された。16日午前1時25分ごろにも益城町と西原村で震度7の地震が起きた。1995年の阪神大震災と同規模のM7.3を記録。

 連続した地震活動で震度7が2回観測されたのは初めて。気象庁は14日の地震が前震、16日が本震との見解を示した。地震による直接死と関連死を合わせた死者は150人を超えた。住宅被害は約17万8000棟に上り、うち約8300棟が全壊。熊本城も天守閣の屋根瓦が剥がれしゃちほこが落下するなど、大きな被害を受けた。

 その後、柳橋卓二と松平富二は、「NPO自立村」として熊本地震の募金活動をして集めた5百万円と「NPO自立村」の2千5百万円の合計3千万円を熊本地震の支援団体を通じで送金した。英国は6月の国民投票で欧州連合「EU」からの離脱を決めた。「東欧からの移民流入で職が奪われている」との不満やEUの規制に縛られることへの反発などが背景。

 EUから加盟国が抜けるのは初めてで、経済規模で2位、そして世界の金融センター、シティーを擁する英国の離脱は、経済のみならず政治的に大きな打撃となる。来年に大統領選を控えるフランスなどでは反EUの右派政党が勢いづいている。英国のメイ首相は、来年3月までにEUに離脱を通告し、交渉を開始する方針。

 労働移民制限はできないものの、EU単一市場からは出ずに自由貿易の恩恵を受けられる形態か、単一市場から離脱し移民制限を徹底する選択肢が検討されている。離脱後の関係は交渉の結果次第で大きく異なりそうだ。日本では、2019年7月5~6日を中心に台風3号と梅雨前線の影響で「九州北部豪雨」が発生し、福岡、大分両県で死者38人、行方不明者3人となった。

 3号は九州北部を横断し、気象庁は5日に両県に大雨特別警報を発表。大規模な土砂崩れや河川の氾濫が起き、大量の流木で家屋や鉄道の鉄橋などが流された。不明者の捜索が長引き、農林水産業に大きな被害が生じた。政府は激甚災害に指定し自治体の災害復旧事業への補助率をかさ上げした。台風は5号が8月7~8日に近畿・北陸を縦断。

 秋にも日本列島への上陸が相次ぎ、18号が9月17~18日に九州南部と四国、近畿、北陸を縦断したほか、21号が10月23日に東海と関東を縦断した。総務省消防庁によると、死者は5号で2人、18号で5人、21号で8人に上った。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み