エイト感動中 〜○○い、で終われば感情を表す形容詞になると思っているエイト〜

文字数 612文字

俺はその日、いつものように愛犬の散歩をしていた。愛犬のリリーはゴールデンレトリバーで、このふさふさの毛並みと愛くるしい垂れ目に惹かれた通りすがりの人に声をかけられることがよくある。今日も、カフェから出てきた2人組みがリリーに引き寄せられてきた。1人は黒髪の若い男性で、もう1人はブロンドの紳士だった。

「あの、触ってもいいですか?」

黒髪の男性が目を輝かせながらこちらを見ている。そんなに眩しい期待感を寄せられては拒否できるはずもない。

「どうぞ」

リリーをお座りさせると、彼もしゃがんで頭を撫でたり首元を触ったりとふさふさの毛並みを楽しんでいる。

「エイト、とても嬉しそうですね」

「うんっ!いますっごくもふい!」

「もふい……」

すると紳士の方も「失礼します」と言いながらリリーの背を撫でる。

「なるほど、これはかなりもふいですね」

「でしょう?」

そして、2人してお礼を述べてから去っていった。俺は思わずリリーを撫でてみたが、「もふい」とは何なのかよくわからなかった。だが彼らの笑顔を見る限り、きっとポジティブな表現に違いない。

「よかったなリリー。もふいってよ」

そこはかとないほのぼの感を残して去っていった2人は、同じ街に住んでるのかな。そんなことを考えながら家路についた。



もふい=もふもふしているものに出会えた嬉しさと、感動的な心地よさとが混ぜ合わさった素敵な感情(エイト談)
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