13:蔵の中
文字数 2,712文字
蔵の内部は灯りがともっておらず真っ暗でした。
海苔蔵さんはアタッシュケースを開けてペンライトを出しました。迅之介さんとまさきちゃんはスマホをライト代わりにしました。
蔵の中には、カエルをかたどった巨大な像がありました。
海苔蔵さんは蔵の中を見回しますが、めぼしいものはカエルの像しか見当たりません。
カエルにまつわる儀式などは、海苔蔵さんの知識にはありませんでした。
迅之介さんにはそのカエルの銅像が100年くらい前のものだと分かりました。
まさきちゃんが銅像に近付いてみました。すると、銅像の下で何かが蠢いていることに気が付きました。
それは地面を這う大量のナメクジでした。
あなたたちがそうやって相談しているところに、蔵の外から車の音が聞こえてきました。
車は蔵の近くで停車し、一人の男性が降りてきたらしいことが分かりました。
蔵の扉が開き、館山氏が現れました。
まさきちゃんは恵ちゃんを自分の体の後ろに隠しました。
酢太郎さんとまさきちゃんを蔵に残し、海苔蔵さんと迅之介さんは館山氏を囲んで和気藹々と屋敷のほうへ向かいます。
そこに女の使用人が現れました。
女使用人はそう言って蔵の中に入ってきました。
まさきちゃんは「お姉さん、お姉さん」と女使用人を蔵の内部へと手招きします。
女使用人は見る見るうちに先程見た怪物のように変貌してしまいました。
彼女は蔵の出入り口にいるため、倒さないことにはあなたたちは蔵から出ることはできません。
彼女は先程のヘビ人間とは少々異なり、体の何処にも傷はありません。あなたたちをキッと睨み付け、今にも攻撃してきそうです。
酢太郎さんは手袋をして、両手にナメクジを構えます。
酢太郎さんはマリオの如く高らかに舞い上がり、ヘビ人間に殴りかかりました。
ヘビ人間は回避に失敗し、その場に倒れました。酢太郎さんは倒れているヘビ人間にナメクジを塗りたくります。
ナメクジの粘液によって体中が焼け爛れ、ヘビ人間はたまらず逃げ去ってゆきました。
酢太郎さんはカバンの中にナメクジを詰め込み、まさきちゃんは恵ちゃんの手を引いて連れて行きます。