第5話(3)

エピソード文字数 1,270文字

「よ、よかった。けど、こっちは三人になってしまったね……」
「リーダーっ、なに弱気になってるんですかっ。まだ三人もいるんですよ!」

 3人目の仕掛人・相撲取り体型の雲竜さんが、神蔵さんを鼓舞する。
 まだ○○人もいるんですよ。この台詞が出て、人数が減らなかったことは殆どないですよね。

「リーダーに魅条、ここはオレが空気を変える。一子相伝の、『相撲空手(すもうからて)』を見せてやりますぜ!」

 彼をオレンジ色の闘気が覆い、闘気の鎧を纏った雲竜さんは突進。一歩ごとに床にヒビを入れながら接近してくる。
 のを見てて、ふと思い出した。高知県は結構な数の力士さんを輩出しており(有名な方が沢山いますよ!)、場所後にしばしばサイン会があるんですよ。それで昔友人と貰いに行った際、ダチが「お相撲さんって重いから、一歩歩くごとに床にヒビが入るんだよねっ? 見せて見せてっ」と言って困らせてたんですよねぇ。
 井上、そういう人はここにいる。機会があれば見せてあげるよ。

「そこのゴスロリ女! オレの『ぶつかり正拳突き』を喰らえ!」

 懐かしんでいる? と雲竜さんの速度が増し、体当たりのような体勢になって肉薄。彼はそこから右腕を滑らかに伸ばし、突撃の勢いを乗せた右ストレートを放った。

「道彦さんの秘技は、分厚い鉄を粉砕する! これで3対3だね!」
「んーん。3対4のままだよー」

 なんとまあ。レミアは分厚い鉄を粉砕するパンチを、右の人差し指1本で止めました。

「にゅむんっ。ほんの少し魔力で指を囲めば、楽々だよー」
「ば、バカな……。オレの拳が、効かないなんて――」
「防御(ぼーぎょ)のあとは、攻撃(こーげき)だよねっ。おかえしだー!」

 彼女は金色のオーラを纏った右手で、雲竜さんをトンと押す。

「がぐぼげぇ!」

 この子はただそうしただけなのに、彼はマッハで飛んでいきました。
 はい。相撲で言うなれば、超すごい押し出しで負けたです。

(っておいレミアっ! アンタなにやってんの!?

 俺は白星をあげた魔王勇者に、即座に文句を発する。

(今の、早すぎ強すぎっ! あんなスピードでやられたら、殆どショックを与えられないでしょうが!)
(にゅむー……すっごーく手加減したんだけどなー。今度からは、もっともーっと手を抜くよー)

 レミアは何度も首を傾げ、コツンと自分の側頭部を叩く。
 くぅ、コレは失敗だったな……。押す時は1兆分の1くらいの力で、って言うべきだったぜ……。

(師匠、安心してやっ。まだ究極の揺さぶり先生が残っちゅうきね)
(あれが決まったら大ダメージ。上手くいけば、その時点で覚醒するわ)

 そ、そうだね。こちらにはまだ自信作があるんだ。こっちはバシッと決めて、真の力を引き出してあげよう。

「っっ。道彦さんまで、やられてしまいましたね……」
「うん……。このチームは、僕と魅里ちゃんだけだ……っ」

 との言葉通り残り2人となり、究極の揺さぶりができる条件が整った。さあ、やるとしましょう!
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登場人物紹介

黒真レミア 16歳の少女


魔王、でありながら伝説の勇者の能力を持つ。冷徹でクールな容姿と声音を持つ美少女だが、性格はほわほわでお子ちゃま。『にゅむ』という独特な言葉を多用し、時にはにゅむのみで会話を行おうとする。例「にゅむーむ。にゅむ。にゅむりん」。

なお愛用の武器である聖剣は魔王の天敵であるため、使うと痺れる。

金堂フュル 16歳の少女


伝説の勇者、でありながら伝説の魔法使いの能力を持つ。元気一杯の猫っぽい女の子で、高知県の英雄・坂本竜馬の大ファン。そのせいで『ぜよ』と中途半端に覚えた土佐弁を使い、主人公のことは『師匠』、仲間のことは名前のあとに『先生』とつけて呼ぶ(例えばレミアの場合はレミア先生)。

なかなかにおバカな女の子。

虹橋シズナ 17歳の少女


伝説の魔法使い、でありながら魔王の能力を持つ。大和撫子然とした容姿を持つ美少女であり、主人公の義理の従妹。

重度の怒られ好き。

とにかく変で厄介で面倒くさい人。

茶操ユニ 18歳の少女


伝説のドールマスター、でありながら伝説のプリーストの力を持つ。キグルミ族という一族の人間で、閉園したテーマパークのキャラクター・二足歩行ウサギの着ぐるみを着ている。口癖は、ミョン。

実はお笑いにうるさく、親戚は某有名人。

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