第4話

文字数 2,240文字

元気なポポに会ったアーリーは、
またいつものようにみち草をしていました。

そんなアーリーを冷たい目で見ていたミツバチに
急に言われたのです。
「あなた、何故こんな所でボーッとしているの、今は働く時間でしょ」
「私、みち草が好きなの。ちょっとみち草中なの」
「みち草が好き?何を言っているの。私達もあなた達も力を合わせて頑張らないと、生きていけないのよ、あなたのような考えが増えたら私達は全滅よ!」
そこへ、ひらひらと飛んで来たモンキチョウが言いました。
「そんなに怒らなくても、たまには気分転換も必要だよ」
ミツバチはキッと睨み「あなたと私達とは最初から生き方が違うのよ。部外者は黙っていて!」
おーこわっと、モンキチョウは、またひらひら飛んで行ってしまいました。
ミツバチの話しは止まりません。
「みんな一生懸命働いているでしょ。あなたが帰る家も、食べるものも皆んなあなたの仲間が用意しているのよ。あなたのような人を私は許せないわ、本当に何を考えてるのかしら」
そう、言い放ちミツバチはプリプリと飛んで言ってしまいました。
アーリーはミツバチにビックリするくらい叱られて、悲しくなりました。
私は悪い事をしているのかしら、、、

そんなアーリーの近くにタンポポの綿毛がたくさん飛んできました。
その綿毛がアーリーの前で丸いホワホワの綿毛になりアーリーにささやきました。
「アーリー私よ、ポポよ」
「ポポ!ポポなの?また会えたのね」
「そうよ、また会えると言ったでしょ」
「さっき、ミツバチと楽しそうにお話ししていたわね」
「叱られていただけよ」
「叱られていたの?ミツバチも毎日忙しいから、イライラしていたのかしら。気にしない事よ。
気にしない気にしない」
ポポにそんな風に言われて気分が少し軽くなるアーリーでした。

「ねえアーリー聞いてくれる?私、どうして自分だけがあの場所で大きくなってしまったのかがようやくわかったの」
「え?そうなの?いったいどうしてだったの?」
「それは、私に起きた特別な事でも何でもなかった。ただ自分でそうなるようにしていただけだった」
「どう言う事?」
「それは私がただ怖がって、長い間地面に必死にしがみついていたからだったのよ。笑っちゃうでしょ。
あの日突然、私が持ち上げられそうになった時、この地面から離れたくない!って心の底から思ったの。変でしょ。
自由に動けるアーリーを羨ましがっていたのも、仲間が飛んで行くのを見て羨ましかったのも本当なのよ。なのにあの時その場所から絶対に離れたくない!って思った。それで解ったの。自分の本当の気持ちが。
私、怖かったの、不安だったの。
仲間はいったいどんな所へ行くの?旅立った先に何があるの?どんな事が起こるの?いったいどうなってしまうの?って。
知らない内に怖がり病にかかっていたみたい。
でも、あの日地面からいきなり引き離された時、ビックリするくらいスッキリしたわ。
体が軽かった。それはそうよね地面にしがみついていた重いものがなくなってしまったんだもの。

仲間の旅立ちとは違う形だったけど、今の姿は旅立たって行った仲間と一緒よ。
他の仲間より随分長い時間がかかってしまったけど、そんな自分を悔やんでないわ。
だって長くあそこにいたおかげでアーリーにも会えたしね。
それに、私長い間、同じ場所で風や雲を見続けていたでしょ。だから、風や雲の気持ちがわかるようになったのよ。風が元気か 怒っているか、笑っているか。雲がたのしそうか、泣いているか、急いでいるか、見ているのが楽しかったわ。
今日はお天気で風も元気だから飛行日和なのよ、今から風に乗って遠くまで行くつもり。
最後にアーリーに会いたくて来たのよ。
アーリー、お友達になってくれて本当にありがとう。いろんな話が出来て楽しかったわ。
元気でいてね。

あっ、今、良い風が来たわ。そう言うとポポは丸くなった綿毛を羽ばたかせて鳥のように風と仲よく飛んでいってしまいました。

でも、アーリーがポポを見送っていた次の瞬間!
ポポが急に空中で丸くなり地面に急降下、
丸い綿毛の花が地面に突き刺さり花が咲いている様に見えたかと思ったら、
また来た強い風に乗って今度は本当に飛んでいってしまいました。 
さっきのポポに何が起きたかわからないアーリーでしたが、ポポを見送りながら、ポポは遠くへいってみたいと言う夢をやっと叶えたんだ。
と感動していました。
太陽にてらされて遠くに飛んで行くポポは小さな白い鳥の群れのようでした。
ポポは夢を叶えた、私の夢はなんだろう。
ただ楽しいだけではダメなの?
ミツバチの言葉がアーリーに刺さっていたのです。
ポポやミツバチの事を思いながらアーリーは、
青空を眺めていました。

そんなアーリーを小さな穴の中から、じっと見つめていたトカゲの背中は
今しがたポポの襲撃にあい 綿毛に刺された背中が真っ赤に腫れ上がっていました。イタタタタ、狙っていたアーリーをまたしてもポポに妨害されたのです。
チクショーー
今度はみてろよ。もうあいつは飛んで行ったんだ。今度は絶対逃さないからなと真っ赤な背中が土に触らないように、小さな穴にゆっくりと入っていきました。

そんなポポとトカゲの応酬などつゆしらず、
アーリーは真っ青な空を見ながら考え続けていました。
でも、いくら考えても答えはでません、、、

!!そうだ、忘れてた!この間、良い餌場を見つけたから また皆んなに教えてあげなきゃ!
そんな事を思いながら、
今日の空は今までで1番綺麗な青空かもしれないと思っているアーリーでした。
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