詩小説『いけない恋』3分の恋人。全ての大人へ。

エピソード文字数 447文字

いけない恋

こんなに酔わせてどうにかなるつもり? だなんて悪戯に言うから。

この夜を越えるつもりさ。それに君は酒のせいに出来るだろ? だなんて言わなかった。

珈琲が冷めないうちに、魔法が解けないうちに、この店を出て歩き出そう。

髪をわけて、胸もとのネックレス、後ろで外す君。ヒールは倒れていた。

罪なのは僕等じゃないさ、出逢わせてしまった神様のせいさ。

後戻りなど出来るわけない。ただ、先にも道はない。今夜だけ。

お風呂いっしょに入る? なんて、冗談めかして言うから、その顔を見つめられなかった。

ただ、組み直した時に露わになったその脚をうつむきながら見てた。

ましてやボディソープなんて使わなかった。残り香をまとえば、気づかれてしまうから。

湯船の中は世界でふたりだけ。音も、声も、仕草も、今だけは世界でふたりだけ。

ベッドの上、時計の針を気にするだけ。私、帰らなきゃって呟く。

魔法は解けた。夢から醒めた。また、会えるとは聞かなかった。

さよならとも言えなかった。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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