決戦 前編(執筆者:横澤 青葉)
文字数 1,581文字
そして、迎えた決戦の日。
まだ日は上がっていないどころか、深夜、と言ってもいいくらいだ。
「さぁ……いよいよね」
シェロは朝、全員を食堂に呼び寄せた。
「皆、作戦は分かっているわよね? 」
「もちろんですよ」
「当たり前だよなぁ?」
いろんな人の声が聞こえる。 どうやら、しっかりと覚えてくれたようだ。
「今は偵察部隊を各地に向かわせているわ。 敵が着次第、配置について」
「はいっ!」
「……そういえば、私たちの飛行機、この戦艦の中に艦載機としてあったのよ」
「あ、じゃあ安心だね」
「でも、燃料は抜かれてて」
「……」
ダメじゃん。
「……本当に大丈夫かしら」
いつも大丈夫、大丈夫と言っていたシェロの。
唯一の弱音だった。
「大丈夫。 10日間で、こんなに強くなれたんだもの」
「……そうね」
シェロは微笑む。
すると。
「失礼します!」
食堂のドアを勢いよく蹴飛ばして来たのは。
偵察部隊であった。
「敵偵察機を発見しました!」
「俺達の出番だな……」
ある少年はそうつぶやく。
その少年率いる10人の手には散弾銃と──
石であった。
「なかなか、きつそうなにんむになりそうだなぁ」
「ああ、そうだな」
二本のサーベルを構え、木陰に潜んでいるのは──
リシュリュー率いる遊撃部隊。その数6名。
そして。
「戦艦を僕1人で操縦か……胸が熱いなんて言えないな」
と、言うのは。
リシュリューの魔法により、言葉だけで戦艦を操れるようになった──
シオンであった。
「頑張ってね」
と言うのがシェロである。 いわゆる助手だ。
「さぁて……出撃だよ……揚陸艦を……撃ち落とせばいいんだ」
そして。
「……やるしかない!!」
少女はつぶやく。
そう、囮部隊。 総勢17名。
そして。
「霧発生まで、大体あと4時間です」
と言った、シオンの隣の天気の予測ができる人を1人。
この40名で、ここから脱出する──
「きたな……」
散弾銃と石を持った部隊が木陰に潜む。
そこは通路のような道の両端が大きく盛り上がっている地形であった。
「軍の部隊が必ずこの道を通ります。その部隊を出来るだけ足止めしてください」
シオンの作戦であった。
「いけえええええ!」
そう、足止め部隊であった。
一斉に散弾銃や石を部隊に投げつける。
その隙である。
「いくっす……」
リシュリューはサーベルをしまった。
「It is a fairy who dwells in our bodies. 《我が身体に宿りし妖精よ。》
「Now, be a source of my ability《今、我が能力の糧となれ》」
リシュリューは目をカッと開いて唱えた。
「擬似進化妖精王『オベロン』。 『憑依』!」
カーボベルがマシンガンを構える前に。
敵部隊は全滅していた。
赤い海を残して。
その残骸を踏むようにしてリシュリューは立っていた。
「このていどっすか……」
「とんでもねえ奴だぜ……」
カーボベルはマシンガンを構えるのをやめ、呆然とそのリシュリューの姿を見ているのであった──
その頃、戦艦の方では。
「あっちの揚陸艦に砲撃! あ、やっぱあっち!」
シオンの指示に戦艦が困っていた。
「はっきりしなさいな……」
「いや、これ難しい!」
しかし、なんだかんだで当たっているのでビックリである。
リシュリューが戦艦にかけた魔法が凄いのか、シオンが凄いのかは分からないが。
まだ日は上がっていないどころか、深夜、と言ってもいいくらいだ。
「さぁ……いよいよね」
シェロは朝、全員を食堂に呼び寄せた。
「皆、作戦は分かっているわよね? 」
「もちろんですよ」
「当たり前だよなぁ?」
いろんな人の声が聞こえる。 どうやら、しっかりと覚えてくれたようだ。
「今は偵察部隊を各地に向かわせているわ。 敵が着次第、配置について」
「はいっ!」
「……そういえば、私たちの飛行機、この戦艦の中に艦載機としてあったのよ」
「あ、じゃあ安心だね」
「でも、燃料は抜かれてて」
「……」
ダメじゃん。
「……本当に大丈夫かしら」
いつも大丈夫、大丈夫と言っていたシェロの。
唯一の弱音だった。
「大丈夫。 10日間で、こんなに強くなれたんだもの」
「……そうね」
シェロは微笑む。
すると。
「失礼します!」
食堂のドアを勢いよく蹴飛ばして来たのは。
偵察部隊であった。
「敵偵察機を発見しました!」
「俺達の出番だな……」
ある少年はそうつぶやく。
その少年率いる10人の手には散弾銃と──
石であった。
「なかなか、きつそうなにんむになりそうだなぁ」
「ああ、そうだな」
二本のサーベルを構え、木陰に潜んでいるのは──
リシュリュー率いる遊撃部隊。その数6名。
そして。
「戦艦を僕1人で操縦か……胸が熱いなんて言えないな」
と、言うのは。
リシュリューの魔法により、言葉だけで戦艦を操れるようになった──
シオンであった。
「頑張ってね」
と言うのがシェロである。 いわゆる助手だ。
「さぁて……出撃だよ……揚陸艦を……撃ち落とせばいいんだ」
そして。
「……やるしかない!!」
少女はつぶやく。
そう、囮部隊。 総勢17名。
そして。
「霧発生まで、大体あと4時間です」
と言った、シオンの隣の天気の予測ができる人を1人。
この40名で、ここから脱出する──
「きたな……」
散弾銃と石を持った部隊が木陰に潜む。
そこは通路のような道の両端が大きく盛り上がっている地形であった。
「軍の部隊が必ずこの道を通ります。その部隊を出来るだけ足止めしてください」
シオンの作戦であった。
「いけえええええ!」
そう、足止め部隊であった。
一斉に散弾銃や石を部隊に投げつける。
その隙である。
「いくっす……」
リシュリューはサーベルをしまった。
「It is a fairy who dwells in our bodies. 《我が身体に宿りし妖精よ。》
「Now, be a source of my ability《今、我が能力の糧となれ》」
リシュリューは目をカッと開いて唱えた。
「擬似進化妖精王『オベロン』。 『憑依』!」
カーボベルがマシンガンを構える前に。
敵部隊は全滅していた。
赤い海を残して。
その残骸を踏むようにしてリシュリューは立っていた。
「このていどっすか……」
「とんでもねえ奴だぜ……」
カーボベルはマシンガンを構えるのをやめ、呆然とそのリシュリューの姿を見ているのであった──
その頃、戦艦の方では。
「あっちの揚陸艦に砲撃! あ、やっぱあっち!」
シオンの指示に戦艦が困っていた。
「はっきりしなさいな……」
「いや、これ難しい!」
しかし、なんだかんだで当たっているのでビックリである。
リシュリューが戦艦にかけた魔法が凄いのか、シオンが凄いのかは分からないが。