兜海老

文字数 2,798文字

兜海老さんがここで執筆するぞ。他の人は書き込まないようにな……

私の名前は間・道輝。人呼んで、笑う贈呈者(ラフィン・プレゼンター)。

贈呈者とは?


そうですね。言葉のとおり、誰かに何かをお贈りする者です。

といいましても、私のお贈りするものはただの贈り物ではございません。

私が取り扱う贈り物は「心」。人間の心でございます。

世に恐れられる魔人と呼ばれる方々・・・ですが、実際には心のどこかに満たされぬ、心の隙間を持った寂しい人ばかり。


そんな魔人の皆様の「心の隙間」をお埋め致します。

いえいえ、お金は一切頂きません。

私はしがない贈呈者。皆様方が満足されたなら、それが何よりの報酬でございます。

さて、今日のお客様は・・・?

名前:石川・五花

年齢:17歳

職業:女子高生(怪盗)

「奪うもの・与えるもの」

kbt-ebi

私の名前は石川 五花。ごく普通の17歳の女子高生。


しかしてその実態は、かの天下の大泥棒、石川五右衛門の末裔「怪盗ノルド」!

世界をまたにかけた大泥棒よ。

銭形平次や大岡越前の子孫なんかもなんのその。

私の能力「怪盗の定理」を前に、私に盗めないものなどありはしない。


さて、今日の獲物は?

おや?
携帯を取り出そうと、間が内ポケットに手を入れると、何やら固い感触が。

kbt-ebi

名刺・・・にしては少々大きいですね。

どれどれ・・・

「あなたの大切なもの、頂戴します。 ノルド」

これは手紙・・・?


一瞬何か分からなかったが、この文面には覚えがあった。

ニュースでよく見るあの言葉だ。

kbt-ebi

これは、世間を賑わしている怪盗ノルドの予告状?

まさか私の元に送られてくるとは。一体何をお望みなのか。


いやしかし、いつの間にこれを私の懐に入れたのやら・・・


その様子を遠くのビルの屋上から眺めている少女がいる。

そう、怪盗ノルドその人である。

kbt-ebi

街ですれ違い様に懐に忍ばせた予告状に気付いたようね。


そんな無茶な。

そう思われるかもしれないが、彼女の能力「怪盗の定理」の前には不可能ではない。

予告上は人知れず届けられるもの。彼女の能力は「怪盗として当然起こりうる現象」を実現させることを可能とする。

彼女がこんな遠くのビルから間の姿を的確に捉えられているのもその一環である。

kbt-ebi

そして、貴方が何かとんでもないお宝を持っていることも把握済み。

彼が大切に持っているあの「カバン」。何か不思議な匂いがするわ。

さて、あとはどうやって彼に近づくか・・・

やっぱりあれよね。

ああ・・・
おや、どうされました?
間が街を歩く中、おろおろしている少女を見つけた。

kbt-ebi

ええ、実は大切なものを落としてしまいまして・・・

おやそうですか。

では私がお手伝いしましょう。

それで、何をお探しでーーー

ーーー2時間後。

無事に少女が探していたものは見つかり、二人は喫茶店で一息ついていた。

kbt-ebi

本当にありがとうございました。

いえいえ、私、こういうものでして。
すっと名刺を差し出す。

kbt-ebi

「心の隙間 お埋めします 笑う贈呈者

 間・道輝」

・・・贈呈者?

はい。私、皆様の喜ばれる顔が何よりも大好きでして。

普段から、こういった人の為になることをしたいと思っている者です。


ーーーああ、何かの怪しい勧誘とかではないですよ。

あくまでも、私が、誰かに、何かをしてあげたい。それだけです。

いえ、怪しいだなんて。

・・・まぁ確かに、先にこの名刺を見せられていたら怪しんでいたかもしれませんけど。

ええ皆様そうおっしゃいます。

でも、私はもう贈り物を戴きました。とっても大切なもの。

本当に手元に戻って良かったです。

喜んでいただいて何よりです。

ですが、私がお贈りさせていただいているのは、また別のものでして。

まぁ、お贈りする方にもちょっとしたルールがあるのですが、貴女もそれは満たしているようで。

はぁ。それは一体?

私がお贈りするのは、その人その人の「心を満たす」本当の「何か」。

皆が必ず心の奥底に潜ませている、「心の隙間」を埋める何かです。

心の隙間・・・

ですので、貴女にも、是非それを贈らせていただきたい。

いえ、せっかくなのですが、私はもう十分です。

是非、他の貴方の贈り物を必要としている方に差し上げてください。

そうですか。

それではこれで。

今日は本当にありがとうございました。

そうして、今日の礼として代金を支払い、一足先に店を出る少女。

kbt-ebi

・・・
ふふふ・・・
店から離れた路地に身を潜ませて少女は笑みを浮かべる。

kbt-ebi

アイツのカバン、まんまと手に入れたわ!

なんと、先ほどの少女は怪盗ノルドの変装だったのだ。

そして間の目を盗み、神業のごとき腕をもってカバンを偽物とスリかえたのだ。

無論、間が気付こうはずもない。


kbt-ebi

さて、この神々しいまでの怪しい匂いのするカバン。

一体何が入っているのやら・・・ってアレ?

はい、中には何もございません。
うぉわぁ!?
突然の後ろからの声に、ノルドは思わず大声を上げる。

kbt-ebi

ああ、いきなりで驚かしてしまって申し訳ありません、怪盗ノルドさん?

いや、予告状の件といい、今回のカバンのすり替えといい。

私、まったく気がつきませんでした。素晴らしい。

え、貴方、なんで?

あ、はい。貴方が普通のひとではないということには気付いていました。

まぁ、怪盗さんだとは気付きませんでしたが。

カバンがすり替わっているのに気付いたときに、「ああ、あの予告状は私のカバンを狙っていたのか」と。

それで、追いかけてきた次第です。

私の正体に気付いていたわけじゃない?

でも、じゃあこのカバンは・・・

偽物ではありません。

特別なのはカバンではなく私の能力でして。

私はカバンの中から貴方の望むものを取り出す、ただそれだけです。

なので、こちらのカバンでもなんら問題はありません。

わたしの望むもの・・・そんなもの、貴方に分かるわけないでしょう?

(だって、何かが欲しくて怪盗をしているわけじゃないもの)

ん~、そうですね。

分かると言い切つもりはありませんが。今まで多くの方々に贈り物をしてきた私です。

言い当てる努力はしてみましょうか。


幸い貴方は有名人。情報はいくらでもあります。

まず貴方は様々なものを盗んできた。それは特に一貫性は認められない。

絵画だったり宝石だったり、はたまた私のカバンであったり。


さて、美術品ならいざしらず、私のようなもののカバンを盗むのはなぜでしょう。

価値を見出したから?違いますね、ただ、あなたは「人の大切にしているもの」を自分のものにしたかった。

では何を贈れば良いか。

貴方の心を満たすもの、それはーーー

「私の心を込めた花束」

なーーー!?


いうや、ものは何でも良いのでしょう。

あなたは自分に向けられた、心のこもった贈り物が欲しかった、ただそれだけなのです。

(ーーーああ、なんだろう、この感じ。そうだ、私は、誰かからの真心のこもったーーー)

そこで。怪盗ノルドは息絶えた。

身体に突きつけられた花束は、そのままノルドの心臓を突き、融合し、血流を阻害した。

kbt-ebi

ーーーああ。貴女も死んでしまいましたか。
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登場人物紹介

名前:怪盗ノルド




性別:女




特殊能力:怪盗の定理


彼女が怪盗たるための能力。怪盗の資格を自身に付与する概念能力であるが、具体的には「神出鬼没(瞬間移動能力)」「変幻自在(衣装変化能力)」「曖昧模糊(情報隠蔽能力)」などが挙げられ、彼女が怪盗でない間は使用が制限される。




キャラクター設定:


世界を股にかける大泥棒。犯行はまさに鮮やかとしか言いようがなく、犯行予告を送った標的から48時間以内に必ず"お宝"を盗み出す。警察は本名どころか国籍、性別すら特定できていない。得意のマジックで追手を翻弄する。




本名「石川 五花(いしかわ いつか)」。ごく普通の家庭で暮らす17歳の少女。何の変哲もない女子高生で、素行も良く、両親含め周りからは真面目な少女だと思われている。深い理由や強い理念があるわけではなく、ただの「生まれながらの怪盗」であり、ただの悪人。また、盗むことそのものが目的であるため、金に執着はなく、盗んだ物は協力者の古物商や宝石商に安く売りさばいている。


相手を倒したい理由:


「あなたの大切なもの、頂戴します。 ノルド」


作成者:藁家

名前:間・道輝(ハザマ・ミチテル)

性別:男


【能力名】

笑う贈呈者(ラフィン・プレゼンター)

相手が心の底から渇望していること(心の隙間)を満たすものを具現化し、ねじ込むことにより心の隙間を物理的に埋める。


(能力詳細)

 相手が心の底から渇望しているものを言い当てることにより、手にしたカバンの中からそれを満たす「もの」を取り出すことができる(相手の自覚無自覚は問わない)。


 取り出した「もの」は相手の願望から生まれたものであるため、抵抗なく相手の身体にねじ込むことができる(=心の隙間を埋める)。


 ねじ込まれた「もの」は相手の身体と融合するが、血肉は通っていないため当然身体に悪影響を及ぼし、多くの場合は死に至る。


【相手を倒したい動機】

皆の心の隙間を埋めてあげたい。


作成者:兜海老

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