2話 「生き甲斐」
文字数 1,900文字
《2階の様子を見に行く》
ナイフで襲い掛かる帯刀。
「カキィーーンッ!!」
――金属と金属がぶつかり合う音。
策也はメリケンサックで受け止め、ナイフを振り落とす。
そして父親を彷彿させる強烈な"三日月蹴り"が炸裂する。
……。
≪近づくサイレン音≫
耳を劈くような銃声と同時に身を挺して銃弾から、ららを守り倒れる策也。
恍惚の表情を浮かべた後、脱力し膝を落とす帯刀。
機動隊・救急隊が到着し、入り口が勢いよく開け放たれる。
親父……、とも上手くいってねぇし……、ダチが居る訳でもねぇから……、ケンカばかりでな。
あの日、ららと出会って……、それから毎日楽しくなって来て。
最初はマイナスオーラ漂う……、しょうもねぇ女……、って思ってたんだ。
でもよ、初めて……、笑顔見た時、この笑顔を守りたい……、って思ったんだ。
そんな事ないよ。
私なんて利用されるだけで、本当は誰にも必要とされてなくて何も自分じゃ出来なくて、
今だって……。
策也君に、助けられなきゃ自分じゃどうしようも無くて。あなたには感謝しかないの。
何で、こんな私をいつも助けてくれるの?
(意識が薄れてきた……)
そ……、れ……、と……。