選んで殺すのがそんなに上等かね? ジャックザリッパー
文字数 976文字
本ページでは1888年、イギリスで起きた猟奇殺人について言及しています。
産業革命時代、人々の犯罪形態は複雑になっていったわ。
経済が発展すればお金持ちからお金を盗みやすいからね。
言ってしまえば、高度経済成長期の日本みたいなものと思ってちょうだい。
経済が高度に発展すると人間の心に鬱憤がたまるよね。
そりゃ、産業が発展しても人間の心が置いてきぼりだものね。
都市が発展しても人間の生活は急激には変化しない。
イギリスの産業革命は人間の心をズタボロにしたわね。
人間の心という不安定なものを論じているので、なんかちがうな、と思ったならそれでも平気だよ!
犯罪を助長するつもりはないけど、人間の心には常に悪の心があるわよね?
愚かな。
悪など、自分にとって都合の悪いものをそう定義しているだけじゃない。
さておき、都市が安定していけば安定するほど人々の心は不安定になる。
と、いうのは極端な例だし時代が合わないけれど、人々の心理として何か大きな事件が起きるのは、暗に期待されていたかもしれないわね。
(だってあなた、何か事件が起きることを望んでいるでしょう?)
でも、ここでいうジャックザリッパーってそこまで人を殺していないでしょう?
もっとたくさん殺した人はいるよ。
未解決というところがポイントなのよ。
ジャックの正体が不明だから人々の不安は晴れない。
捕まって罰を受けたら悪のヒーローもそれまでだからね。
この正体不明、という言葉に引っかかった中2病の人はどのくらいいるかしら?
もう一度言うけど、ジャックを盛り上げているのは正体が不明であることなの。
猟奇殺人というわかりやすい悪に手を出しているけど、これが仮に『貴族からお金を巻き上げた』などの義賊的犯行だったらどうかしら?
正義とは言いにくいけれど、事件を起こしつつジャックを正義に寄せることはできないかしら?
まあ、現代もバカッターで盛り上がるし、新聞社が取り上げてくれるならジャックの功績は瞬く間に広がったよね?
義賊というと分かりにくいと思うからあえていうと、退屈していた民衆は猟奇事件を望んでいたのよ。
それがわずか数人しか殺していない犯罪を、そんな希望が彼をダークヒーローにしてしまった、とここでは考えるわ。
結局のところ時代が生み出した被害者なんだね、ジャックは。
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