2022/11/03 19:07 R.D.レインとカフカの話

文字数 921文字

R.D.レインとカフカの話

かめさんに書いたレターの返信から抜粋!!

かめさんの『戦時下にて』、最近の投稿は気迫のようなものがあって、詩や散文詩や、詩人が書いたエッセイみたいで、読みごたえがありますね。

そうそう、実存主義の話の文脈でいつだったか、かめさんからカフカの名前が出てきたので、その話を。実はR.D.レインの著書のまとめを、『死神はいつも嘘を吐く』って作品の『廃園の亡霊のために』ってタイトルの回でしていて、そこにカフカが出てきます。以下、『死神〜』から抜粋。



  ——自己を意識すること、および他人が自分を意識していることを知ることは、「自分および他人の存在を信頼する手段」である、ということ。フランツ・カフカの『哀願者との会話』の中で、「心の底から自分が生きているのだと思えたことは一度もない」というセリフがあるのですが。これは、存在論的不安定という実存的立場から出発しているのです。それゆえ、彼の生活の根本問題は、自分が生きているということ、事物の現実性とに関する確信を得ることであったのでした。しかし、彼の世界は非現実的であるから、彼は他人の世界の対象でなければならないのです。なぜなら他人の対象は現実的であり、穏やかで美しいものにすら思えるからなのです。——



R.D.レイン『引き裂かれた自己』からのまとめ、ですね。それとは別に、カフカはドゥルーズが『カフカ マイナー文学のために』で取り上げたことから、ポスト構造主義解釈ってのが生まれた。かめさんもたぶんご存知の通り、実存主義は哲学の臨界点でした。レヴィ=ストロースがサルトルに代わって出てきて構造主義が隆盛になって、その後文献学からポスト構造主義が出て昔の哲学なども復権されていく。ソーカル事件もあって、微妙に信頼できるか謎な部分があるなか、2010年代からは、どちらかというと政治哲学の人気が再燃してますよね。……いや、僕、なに書いているんだ(笑)。言いたいことなにも返信できてないよー(笑)。と、いうことで、また次回!! 追記:頭はわるいですよ。でも、この話も、面白いエピソードいろいろあるので、またの機会にでも。




2022/11/03 19:07 コメント(-)| 随想遊戯
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