第4話 エリザベスカラーをつけたねこ

文字数 1,784文字

昨日、我が家のねこは去勢手術をしました。
本当は春にする予定だったのですが、私の体調が悪かった のといろいろ細かな用事が重なって結局1歳になる直前になりました。

去勢手術はスプレー行動(テリトリーを示すためのマーキング。とっても臭いらしい)の抑制や、病気もかなり防げるので繁殖をしないつもりならばほとんどするようです。

手術はオスの場合、生後6か月を過ぎた頃からすることができます。この頃には発情したりスプレー行動をはじめる子もいるのでその前に、ということのようです。
我が家のねこもちょっと妙な野太い声で鳴いたりしていたのですが、運良く(?)スプレー行動はしませんでした。外には出していないのでその影響もあったのでしょうか ?

とにかく、早く手術しないと・・という思いでいっぱいだったので、手術の予約を終えてホッとしました。
ところが・・だんだん手術の日が近づいてくるとなんだか心配になってきました。

麻酔とか大丈夫かな。。

手術は全身麻酔で行うので、手術当日は水・エサは禁止でした。そんなわけでその日は朝から大変でした。朝食を作っている足元に来てすりすり、すりすり。

にゃーにゃー、すりすり。

エサをねだっているのです。
「ごめんね、今日は食べられないの。我慢して 。」
何度もかがんでねこに言い聞かせましたがもちろんねこに通じるわけもなく・・
にゃーにゃーすりすりの嵐に耐えながら朝の家事をやりました。

午前中に動物病院 に連れて行って
手術前の説明、手順、術後のことなどを詳しく聞き何かあった時の緊急連絡先と同意書を書かされ
ねこを預けて一旦帰宅。
術前の検査や麻酔アレルギーなんて心配ごとが頭の中でグルグル。

こんなときはお掃除でもしよう、と

いつになく気合を入れて掃除をしました。
午後2時半頃手術も無事終わり、麻酔からも目覚めましたと連絡があり、ほっと一安心 。夕方迎えにいくと、何やら首にまいている。

おお、あれはエリザベスカラー!!

何度かテレビなんかで巻いている犬を見たことはありましたが、自分のところのねこが巻いているのをみると妙に痛々しく、ちょっぴり胸が痛みました 。

「お宅のねこちゃんはナイーブなのできっと気になって手術のところをなめてしまうでしょうから1週間ほどはカラーをつけておいてください。」

確かにうちの子は結構人見知りで、しかも飼い主にもかなりクール。きれい好きでいつも人一倍なめなめするので手術跡もきっとなめてしまうのだろうからしばらくははずせないなぁ・・
でも1週間ていうのはかなり長いですよ、先生。。

そんな言葉を喉元に止めて
「先生、餌をどうやって食べさせればいいんでしょうか 。カラーが引っかかったりしないんですか ?」
私の問いに
「もし食べられなかったらエサのお皿を台の上に乗せてください。慣れてきたら結構上手に食べますよ。 」
と笑顔で答える先生。とにかくがんばるしかない、1週間 。

それから・・ようやく1日が過ぎました。最初から大変だろうと思ってはいましたが、これ、私が想像していた以上に厄介な代物でした。エリザベスカラー ・・

まず、ねこが家の中をうろうろするときにこのカラーがあちこちにぶつかる。先の方がメガホンのように広がっているからでしょう。
そしていつものように足元にすりすりしようとするので、プラスチック製のカラーのフチが足にあたって痛い 。特に私は素足なので非常に痛い。

また、1日たってちょっと臭ってきた。ねこはグルーミングによって自分の体を清潔に保つ。 よって、臭わない。
うちの子は小さい時からエサを食べては顔を中心に丁寧になめなめ。
ごろんと寝転がっていたかと思うと丹念になめなめ。
おもちゃを追いかけてるなぁと思ったら急に止まって真剣になめなめ。
まー本当にきれい好きね~ といつも感心して見ていたのですが、今はそれが全くできない。
カラーを付けた当日はグルーミングをしようとしてできず、固まっていました。

なんで?

ねこはそんな悲しい顔をしていました。

翌日からは思いっきりエリザベスカラーを内側をザリッザリッとなめていました。

グルーミングをしている気になっているのか?

見かねた長男が温タオルで拭いてやると気持ちよさそうにしていました。

ただくるんと首の周りに巻いただけなのに。
このカラーだけでこんなにも多くの障害をもたらすなんて・・

おそるべし、エリザベスカラー。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み