詩小説『抱けない女の子』3分のもどかしい恋。男の子へ。

エピソード文字数 554文字

抱けない女の子

後ろに乗せたのに、

クッションを抱きしめ、

身体を起こして、

僕に顔を近づける。

シートベルトが、

胸を締め付けた。

運転席で熱を感じて、

ハンドル握りしめた。

駅まで送り届けると、

車内に香りを残して、

温もり冷めぬうちに、

クッションを抱いてみた。

何故優しくしてしまうのだろう?
なにもできずに見送るのに。

何故優しくしてしまうのだろう?
なにも返っては来ないのに。

いっしょにいれるだけで満足してしまう。

フォークにパスタ巻きつけて、

鷹の爪を舌へ乗せる。

男の子が居るのに、

ペペロンチーノ、
食べちゃったって、

匂い気になると言いながら、

結わえた髪、束ね直す。

恋人みたいに振る舞うくせに、

手すら触れていない。

勘違いをさせるような時は、

一線を越えたい一瞬。

何故優しくしてしまうのだろう?
当たり前のように奢るけど、

何故優しくしてしまうのだろう?
家には連れて帰れない。

今宵も枕は抱いて寝ようか。

何故優しくしてしまうのだろう?
なにもできずに見送るのに。

何故優しくしてしまうのだろう?
なにも返っては来ないのに。

いっしょにいれるだけで満足してしまう。

誰かは抱いてるけど、

僕には抱けない女の子。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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