第5話 2021/05/24

文字数 2,409文字

昨日は日記を途中までしか書かなかった。
1ページ書く決まりがあるわけではないがなんとなく勿体ない。
久し振りにどこかに出かけたくなった。
お店を見て回りたい、何か買うお金があるわけではないけれど。
歩くのも億劫だし、何もやる気はないけれど。
今日はアニメを3本見られた。
1本も見られなかったときに比べるとすごいと思う。
見ている間は心が穏やかだ。
もちろん感動したり笑ったりする。
しかし見た後は疲れてしまって続きを見る元気がなくなってしまう。
体力がなくなった、いつも通りに動いていても身体が重たい。
何でこんなに身体が重たく感じるのか分からない。
身体が疲れたからといって眠れる訳ではない。
身体が疲れているのに頭は起きていて全く眠れないときが多い。
眠れたとしても途中で何度も起きたり悪夢を見たりする。
今日も何度か夜中に目覚めてからなんとか朝になり、起きたような感じだ。
朝ご飯は食パンを焼いて食べた。
一人暮らしのときは朝食にパンはあまり食べなかった。
身体に悪いと思っていた。
しかし今では何か食べておけばいいや、と少し適当になった。
昼寝も少しするようになった。
するようになったというか、昼間に睡魔が襲ってくる。
昼夜逆転してしまいそうで怖い。
眠るのにこんなに苦労したことはない。
学生のときは学校とバイトでいつも眠たかった。
いつでも眠れるような状態で、夜中は泥のように眠っていた。
今は寝る時間が沢山ありすぎて、眠りたい身体がどこかに行ってしまった。
一人暮らしのときは毎日ほぼ決まった時間に寝て決まった時間に起きていた。
人生の中で一番規則正しい生活をしていたと思う。
でももう一人暮らしのときのように休みがない生活には戻りたくない。
毎日職場か事務所に通って、休みがなかった。
何もしない日が本当になかった。
自分は何もしない日が必要な人間だった。
だからこんな風になってしまったのか。
無理をしているときは分かっていても止められない。
自分の場合はこのまま何かしていれば幸せになると信じていた。
なんだか今日は天気が悪いからかあまり体調が良くない。
眠たくもないが起きていられないような感覚になる。
脚の節々が常に痛い気がする。
外に出る気力もだんだんとなくなってきて部屋に閉じこもってしまう。
食べたいものが分からない。
比較的、果物は食べやすいが主食は何が良いのかおかずは何が良いのか。
好物を食べても前の様な感動は感じられなくなった。
食べられないときは程度によるがサプリメントで補っている。
何も食べないよりは良いだろうと思っている。
植物性のプロテインを飲んでタンパク質を取っている。
急にお腹が空いたり、食欲がなくなったり、忙しい。
食べられるときは食べ過ぎて気持ち悪くなるくらい。
食べられないときは水分しか飲めない。
死なない程度に飲み食いしている様な状態だ。
楽しんで食事をしたい、誰も無理していることに気付いていない。
元気そうに振る舞うのもマイナス発言をしないようにするのも疲れた。
相手の話を受け止めるのも大変になってきた。
何で自分が気を遣っているのか分からない。
わざわざ冷たく当たる必要も感じないが、何で自分が励ましているのか。
自分が優しくされたい、励ましてほしい、褒めてほしい。
ほしいほしいばかりで何にも出来ない。
生まれてきてくれてありがとう。
生きているだけで素晴らしいこと。
好きなことをしていいのだよ。
可愛い、格好いい、素敵だね。
大好き。
愛している。
無償の愛が欲しかった。
お金でも行為でもない。
言葉だけでも良かった。
自分の存在を肯定されたかった。
生まれてきた意味が分からない。
分かったところで特に良い意味なんて無かった。
ならこんなつらい思いをして生きている意味なんて無い。
自分のせいで大変な思いをさせていると思うと悲しくなってくる。
ただハグをして、生きているだけで良い、ってそう言って欲しい。
うつ病になっても恋は出来るものだった。
病気を治すために人と会いまくったことがある。
その中の一人、年上の男性を好きになったことがある。
自分のセクシャリティーについては話してあった。
会っても特に印象や態度が変わらないその人をすぐに好きになった。
好きになった理由は良くは覚えていない。
ただ褒められたのが嬉しかったとか、話を聞いてくれたとか。
そんな日常に消えそうな内容で好きになったと思う。
見た目は好きとか嫌いとかあんまり考えたことが無い。
可愛いお口をした人だと思っていた。
自分は嘘が大嫌いだ。
その人の自分への好意は全部嘘だった。
人間不信になってもおかしくない、きっかけになりそうだった。
全員がそうでは無いにしろ、男性は苦手になった。
人間の三大欲求に振り回されていて滑稽に見える。
自分も大概だが、それを理由に人を傷付けて良い訳が無い。
嘘吐きになったその人を嫌いになった。
嫌いになってからが本当につらい。
その人を好きだった自分が小さく馬鹿らしく見えた。
手の感覚が薄くなって、温度が無くなる感覚に陥った。
その人を好きなときは病状が改善していて先生にも驚かれた。
そのまま上手くいけば治っていたかもしれない。
嫌いになってからは悪化して最悪だった。
毎日毎日朝も夜も関係なく泣いていた。
目は腫れて、声は枯れて、酷い見た目をしていた。
心もずたずたのぼろぼろで正常では無かった。
知り合いに誘われてお店に行って飲めないお酒を沢山飲んだ。
レッドブルとジンジャーエールでテキーラを割ってジュースの様に浴びていた。
そこからが地獄でお手洗いに入って3時間ずっと吐いていた。
いつこの地獄が終わるのか、耐えるしか無かった。
そこで失恋のつらさも捨ててこられたら良かったのに。
自分の吐瀉物まみれの服を水で流していた。
流れていく水をずっと見ていた。
朝になって汚れた服のまま、始発の人が少ない電車で帰宅した。
記憶を飛ばしたかったのに、鮮明に苦しみまで覚えている。
この日からお酒は一滴も飲んでいない、飲まないと決めた。
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登場人物紹介

うつ病の人

一人称 自分

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