62. 悪魔の時間を終わらせる
文字数 2,428文字
慧子が拳銃を自分のこめかみにあてる。
慧子が銃を自分の左腕に向けて発砲する。
すぐに、扉の向こうから銃声が聞こえ始めた。
ミツキの顔から、見る見る血の気が引いていく。
いや、あたしの知り合いでもない誰かを人質にとって、あたしをおびき寄せることだって、できるんだ。
アオイとミツキが振り向くと、そこに幸田が立っていた。
「私達に危害を加える意志と能力を持った相手との果し合いだった」それが、私達の唯一、最後の言い訳です。
しかし、戦意を失った相手や戦闘能力を失った人間を殺したら、この言い訳すら使えなくなる。私達は、人間ではなくなるのです。
伸一君のような巻き添えを出さない方法は、これから皆で知恵を絞って考えます。だから、あなたは「人間」でいてください。
アオイとミツキが慧子に駆け寄り、抱き着く。
アオイ、ミツキ、慧子の鳴き声が廊下を満たした。