鹿瀬巴

文字数 6,690文字


【鹿瀬巴】
登場作品:『御神楽少女探偵団』シリーズ
性格:飾らない庶民感覚。
   明朗快活でサッパリしている。
   一方で、推理に於ける演繹構築能力は高い。
年齢:17歳
出身地:長野県

武器:右太股のホルダーに懐中鉄砲を据えているが、気休めな護身用。射撃の腕前自体は高くない。

家族:成人女性である姉〝静〟が小説版に登場。そのシーンに、父&弟&妹の存在が示されている(公式設定に於ける兄弟の数は22人)。

CV:水樹洵




【設定】
 帝都に名高い名探偵〝御神楽時人〟の事件解決に偶然立ち会った事から、その聡明な推理力に好奇心が触発され、また事件解決によって他人の救済にもなるという正義感から、半ば押し掛けのように助手となった少女。
 先立って時人と知己であった〝桧垣千鶴〟&時人に対する恋心からこれまた押し掛け的に助手と加わった華族令嬢〝久御山滋乃〟と三人一組となって、先行捜査に乗り出す助手チーム〈御神楽少女探偵団〉として活動。
 持ち前の能動的性格から、奇しくもリーダーポジションとして収まる。
 尚、探偵事務所が暇な平時は喫茶店〈山茶花〉で女給として働いている(時人との出逢いとなったのも、そこである)。


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【考察論】

 本作は〈アニメ作品〉ではありません。
 プレイステーションで発売されていた推理アドベンチャーゲームです。
『御神楽少女探偵団(1998年発売)』と『続・御神楽少女探偵団~完結編~(1999年発売)』の連作に成り立ちます。
 またゲームソフトとしても大容量の作品であり、当時は前代未聞のCDロム4枚組(初作『御神楽~』はゲーム本編×2&特典ディスク×2の仕様、対して『続・御神楽~』は全てゲーム本編)で、しかも『御神楽少女探偵団』『続・御神楽少女探偵団』の前後編展開を同仕様販売にて作品完結させました。
 それでいて各作品の価格は通常ゲームと同じなのですから、かなりゴージャスな御得感があります。
 初作『御神楽~』のラストは完全に〝引き〟でしたのでファンは続編発売をヤキモキしたものですが、製作裏事情を見ると、実は続編発売は意図していなかったようです。
 ……だとしたら完全な尻切れなので一転して駄作怪作の評価と堕ち、ファンは浮かばれなかったでしょう(完結編が発売される流れになって本当に良かった)。




 発売元〈株式会社ヒューマン〉は『ファイヤープロレスリング』『フォーメーションサッカー』『クロックタワー』『トワイライトシンドローム』『ザ・コンビニ』等なかなか手堅い方向性でしっかりしたゲームシステムをアプローチするメーカーでした。
 一方でバンダイなど大手メーカーの下請けとして実質的なゲームソフト開発もしています(『キン肉マン王位争奪戦』『ウルトラマン』『SD ガンダムガシャポン戦士』など)。
 遡れば『謎の村雨城』『ラプラスの魔』などファミコン世代には懐かしいタイトルも有ります。

 ともすれば美少女推しな本作は『ヒューマン作品』としては異色にも見えがちなのですが、実際にはPS初期の『アポなしギャルズお・り・ん・ぽ・す』や『ファーストKISS物語』といったコテコテギャルゲーも出していますし、何よりも本作『御神楽少女探偵団』の直前には『ブルーブレイカー』をシリーズ展開しています(そもそも『ラプラスの魔』にギャルゲー要素は既にある)。

 ですが、そこはゲームクリエイターとして強い開拓魂を持つ〈ヒューマン〉です。独自性のあるシステムを開発して織り込み、純粋に〝ゲームとしての完成度〟で勝負を挑んでいる辺りが安直な凡百ギャルゲーとは違います。
 特に当時驚嘆だったのは〈ハイレゾ処理アニメーション演出〉で、全キャラクターが単なる立ち絵ではなく滑らかにアニメーションしたのです。目パチ口パクするのは当たり前で、ほとんどのシーンでアニメ作品ばりに大きくリアクションするのです。
 現在では当然のような技術ですが、当時としてはそれまでに存在しない画期性であり、同社はこの新技術を『リモートコントロール・ダンディ』『ブルーブレイカー』にも実装して大きな自社作品セールスポイントとしていました。
 ちなみに、この演出システムが導入されたのは直前に展開していた『ブルーブレイカー』シリーズからのようで、本作『御神楽少女探偵団』は(アニメ系萌え推しという要素も含めて)キャラクター演出面で直系と呼べます。
 また、独自のゲーム性としては〈推理トリガーシステム〉が特徴でしょう。
 聴き込み捜査で、有益情報と思った証言の時にRボタンを押します。
 本当に〝有益情報〟ならば推理ポイントとして累積していき、それがノルマに達すると次章へと物語が進むのです。
 ですが、この〈推理トリガー〉は無制限ではなく回数制限があります。
 無論、証言には御手付きフェイクも紛れていますから、プレイヤーは事件状況や人物相関図を噛み砕いて脳内整理する必要があるのです(使用回数が尽きて推理ポイントがノルマに達していないとゲームオーバーとなります)。
 こうした目新しくも独特なシステムでしたが、初心者でも取っ付き易いゲーム性ではありました。

 こうした諸々の革新的要素を現在になって鑑みれば、当時〈ヒューマン〉が如何に本作で〝勝負〟を仕掛けていたかが窺えます(そう構えるしかなかったであろう……と汲める事情は後述を参照にされたし)。




 物語舞台は大正時代の帝都・東京府であり、作風としては〝江戸川乱歩〟の『少年探偵団シリーズ/明智小五郎シリーズ』を露骨に意識した物でした。
 ですから〝ノスタルジックな懐古感〟と〝何処となく猟奇的な雰囲気〟に彩られ、それがまた作品独自の魅力を発揮しています。
 私は江戸川乱歩の作風が好きなので、そこにアニメ系萌えが加味された本作が大好きでした(少なくとも『土曜ワイド劇場:明智小五郎シリーズ(主演:天地茂)』にグッとくる人はハマれる!)。

 しかしながら、当時のゲーム誌には「三文トリックの駄作」なる酷評も見られました。
 が、どうやらコレは単なる批評ではなく、開発側の製作意図としてあったようです(自虐スタンスで企画スタートしたのかしら?)。
 ですが私的には、そもそも〝乱歩のトリック〟自体が、実はそんなにハイレベルトリックとは思っておりません(結構「それでええのん?」というものも多い)。
 一応、再記述しておきますが、私は〝江戸川乱歩〟が大好物です(あの〝妖しげな猟奇感〟が堪りません)。
 が、それはそれ、これはこれwww
 と言うか、あの大胆且つ荒唐無稽な発想力こそが〝乱歩ワールドの魅力〟だと思っていて、然るに〈乱歩ワールド〉の醍醐味はトリックそれ自体ではなく、赤裸々な愛憎が混在撹拌する人間模様の──と大きく脱線してしまうので割愛w
 で、ゲームをプレイしてみると感受できますが、実際には結構練り込まれたシナリオです。
 考えてみれば当然で、本作は〈推理ゲーム〉なのですから、プレイヤーを引っ掛けてナンボなのです。
 つまり、簡単に読まれたら意味が無い(ゲームとして面白くない)し、逆にある程度は露骨な示唆に解らないと意味が無い(クリア出来ないから面白くない)。
 うん、少なくとも凡百な二時間サスペンスよりも凝っている。
 期待して買ったら肩透かしだった某タイトルシリーズ小説よりも、全然『探偵作品』になっているw

 実際、一部層からは手堅い支持を受けたようで、後に『サントラCD』『新作小説全三巻』『ノベル的イメージDVD (アニメ作品に非ずw)』が発売されています。
 当時はメディアミックス展開が本格的に始まった頃であり、そうした過熱期に於いて『サントラCD化』『小説化』程度は〝猫も杓子も〟で珍しくもないのですが、非アニメ化作品の『DVD 化』はある程度確実なファン人気獲得した作品ではない限りは珍しい物でした。

 また、本作は音楽面でも隠れた秀作であり、殊に主題歌『ためらいびと』は、いい意味で野暮ったいレトロ感にあり昭和歌謡のムーディーな色気に満ちた名曲です(私的アニソンベストの鉄板です)。

 時代を経た現在はゲーム配信サービスにてプレイ可能となり、そうした背景からか単なる回顧的支持だけではなく新規プレイヤーも生じ、ゲーム性や独自の世界観に魅せられた好評価が改めて向けられている傾向もあるようです。




 さて、ボチボチ〝巴ちゃん〟自体に語らせて下さい(一般層にマイナーキャラばかり取り上げるから、どうしても作品像語る比率が多いな……)。

 うん、もう、とにかく可愛い!
 何はなくとも、まずはあのクリクリ円らな瞳です!
 そして、それに起因するあどけない童顔です!
 あ、一応付記しておきますが、私は〝重度の二次コン〟ですが〝ロリコン〟の素養は爪垢程度も無いので御心配無く(Σ御心配無くぢゃねーよ! 逆に心配だよ!)

 彼女特有のトレード表情である〝下膨れ顔〟も、この顔立ちだからキュートにハマります!
 個人的には、あの下膨れをトントン指叩きして思索を巡らす表情が好き ♪
 あと、憤慨して「にゃに~!」と睨め付ける表情が好き ♪
 それから「うわぁ」と心配や不安を表す顔も好き ♪
 あとあと、天然ボケ炸裂で頭掻き掻き「にゃはは」と砕けたキュートさが好き ♪
 要するに、彼女、感情の起伏が分かり易くてコロコロ表情が変わるんです。
 で、そのどれもが愛嬌たっぷりのキュートさで、何故だか惹きつける。
 売りであるハイレゾアニメーションも効果的に活きてます!

 リボン&ブラウス&フレアスカートの三連奏による過剰なフリルフリフリ感もキュートです!
 このウザったいフリフリ感が、こうも可憐な魅力として自然体に纏まるヒロインもいないのでは?

 無論、スラリと生えた脚線美も……です!
 でも、時代設定を考慮すれば、大正当時としては、かなりヤバイ露出度だったのでは?
 時代が時代なだけに、巴ちゃん〝痴女〟扱いでもおかしくない……。
 スゲェぜ! 巴ちゃん!
 当時最先端だった〈モガ〉よりも数十年先駆けていたじゃん!

 肢体も、しっかりと肉感にある割には、実はスラリ且つギュッとコンパクトに詰まっていて、女体特有の華奢を醸しています。
 この辺、さすがに女性キャラクターデザイナー故でしょうか。
 私的には羨ましいです(こういう〝華奢な可憐さ〟を描きたくても、私には無理なようですから)。



 容姿外見だけじゃなく、もちろん内面も魅力に富んでいます。
 まず、限りなく〝自然体の庶民派〟です。
 これだけ特異な世界観設定&フリフリ過多なデザインなのに、庶民感覚です。
 茶の間で〝おやき〟を頬張る庶民的日常感が、どの既存ヒロインよりもハマります(小説版より)。
 ぶっちゃけ『サザ ● さん』出れますwww
 ま、あのシーンの時は着物だった気もしますが。

 それでいて正義感や使命感は強いです。
 どんな陰湿な猟奇事件でも、遭遇すればまず凛然と挑みます。
 が、そこで〝庶民派心象〟が機能します。
 つまり〈無敵ヒロイン〉じゃなくて〈等身大の小娘〉だから、見ているこちらはハラハラヒヤヒヤ。
 だって、事件の裏に潜むのは〝猟奇犯〟だもの。
 そんなのに〝庶民派小娘〟が率先して首突っ込むんだもの。
 この辺、設定の妙が活きてます!
 キュート美少女と陰湿な猟奇との対比が、絶妙なコントラストと映えてます!
 ナイス! ヒューマン!
 さすがに『クロックタワー』『トワイライトシンドローム』の会社だぜ!(怖くてプレイできんかったわwww)




 コアな人気を稼いだ本作ですが、シリーズ着地点は目も当てられない末路でした。
 何とPCエロゲームメーカーの老舗〈エルフ〉によって、PC版18禁ゲーム『新・御神楽少女探偵団』として続編が発売されたのです。
 何故、このような展開になったのか?
 ……2000年時点で〈ヒューマン〉が倒産したからですw
『続・御神楽少女探偵団~完結編~(1999年発売)』から、僅か1年後には会社破産消滅したらしい……っていうか『続・御神楽~』発売直後には和議申し立ての流れになって事実上倒産をしたらしい。
 そんな背景から、実は〈ヒューマン〉製『続・御神楽~』は入手困難だったそうです(1年後に別メーカー〈ヴィアール・ワン〉から再版されたようだけど)。
 ……じゃあ、俺のレア盤じゃん!www

 で、その後『御神楽~』は、別株式会社〈ハムスター〉と〈ヌードメーカー〉が著作権を共同保有する形で買収──エロゲ販売の経緯へと繋がる……って、アカン! 目頭熱くなってきた!
 これじゃ巴ちゃん、不幸な身売り娘じゃんか!
 借金担保に連れて行かれた先で風俗稼ぎを強要させられている薄幸少女じゃんか!

 このエロゲ作品は彼女達の数年後を描いており(未成年設定だとマズイから?)、キャラクターデザインも〝小林明美〟さんから〝さめだ小判〟さんという方にバトンタッチ(……誰?)。
 少なくとも巴ちゃんは別人レベルまでキャラクターデザインを一新しています(他キャラは比較的まんま)。

 私は当時PCを持ってなかったので、垂涎の想い……いやいや、憤りの想いでした。
 一応、ゲーム性は受け継いでいるようですが、18禁となった事で猟奇描写が向上して凌辱的エロシーンも満載になったようです。
 また、それに伴い、アダルトOVA 化……。
 全三巻でした。
 持ってます(Σ持ってるのかよ!)。
 ちなみにOVA 版タイトルは『御神楽探偵団』となっていて〝少女〟が抜けていますが、これはビデ倫規定に抵触する為らしいです(誰得な雑学www)。

 ま、綺麗事は申しません。
 私とて〝男〟ですから。
 常時「ToLOVEる万歳! 幽奈さん万歳!」としていますから。
 うん、そこはそれ「ありがとう」www
 でも、そこはそれとして言っておく……「こんなん、俺の巴ちゃんじゃないからな!」
 はい、私は〝小林明美〟版しか〝巴ちゃん〟と認めませんw
 うん、これはアレだ……AV女優でよくある〝アイドル激似メイクさせて一文字違いの女優名をクレジットしているヤツ〟だ。
 きっと〝鹿瀬巴〟じゃなくて〝鹿瀬巳〟だ。
 ……そうだよね?
 誰か、そうだと言ってぇぇぇーーっ?




 作品が終わり、結構な年月が経過しましたが、私の中で〝巴ちゃん〟と本作品は劣化していません。
 まぁ『御神楽~』に限らず、私は〝自分が好きになったキャラ&作品〟って、ずっと現役のまま熱愛するんですけど……粘着質だからwww
 でも、本当に『好き』って、そういうものよ?
 年代経過や流行り廃れ、周りの評価とか関係無く、自分が好きなものは『好き』と言い続けられる。
 うん、他人の評とか価値観なんて関係無い。
 そうじゃなくなるのは、自分が『好き』じゃなくなった時だけ(まず無いけど)。

 私的に、この娘の面白いところは、さすがに過去作品ですから軽く失念もするのですが、そうだとしていても、ふと想起して当時と同等の萌熱が過剰に甦る事です。
 うん、たぶん、あまりにも〝私好みの美少女度〟が高いんでしょう。
 ふと思うもの……「巴ちゃんと一緒に大正を生きてみたかった」とすら。
 ああ、いや、でも、昭和だから良かったのか。
 うん、自分が生きた時代が一番いいやなww

 現在はプレステ版が携帯アプリ版としてプレイ可能なようですので、機会があったら怪事件解決に挑んでみては如何でしょう?
 その時、貴方は〝御神楽時人〟です!(もしくは〝明智小五郎(天地茂版)〟ですw)

 さて、小説版を読み返して萌えるか……www




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