第1話 2年生のスタート

文字数 2,125文字

春の陽気に包まれた宮城県仙台市にある城西高等学校。


俺、上田 龍一は全てが平凡な高校生。


2年生になって新しいクラスは愛と同じクラスになれたらなぁなんて思って登校中…


愛とは小学校から一緒だった。愛は小学生の頃に転校してきて、少し内気なタイプ。中学時代もそんなに目立つタイプではなく内気。


高校も同じで相変わらずそんな目立つタイプじゃないけど、俺は中学時代から愛に片思い中…


容姿が良い愛のことを好きな男子は結構多い…


愛は俺の家の近所で、小、中、高と俺が唯一気を使わないで話せる女子。


他の女子とは俺はまともに話すことすらできない…


愛とはたまに登下校を一緒にしたりすることもある。


2年生の最初の登校、心細いから、一緒に登校してほしいとか言われて、今一緒に学校に向かうために、愛が俺の家のインターフォンを鳴らす前に俺は玄関の前に立っている。

龍一君、おはよ〜。なんか、朝から待たせてたら、ごめんね。


あと心細いとか言って… 一緒にごめんね…


もう何歳なんだよとか思うよね?(汗)

(ヤバい…かわいい…近所で同じ高校で本当に良かったぁ♪)
そんな、謝ることないよ。全然待ってない。今出てきたばっか(笑)


愛が来たのナイズタイミング的な?(笑)


そんな俺なんかで良かったらいつでも♪

ありがとう♪じゃあ行こうっか♪
おう♪
二人で歩き出した。俺達の通う城西高等学校は制服に指定は特になく、白のワイシャツとネクタイとかの色さえ学年ごとの色にあっていれば自由っていうスタイル。校則もゆるい。結構髪を染めてたりする奴も多いけど、俺は地味な黒髪、愛も薄っすら栗色くらいの髪。
歩きながら、普通に日常会話をしながら、俺は愛の橫顏をチラチラ見ながら、一人心のなかで、好きだぁ〜!と叫ぶ…
そんなチラチラ見る俺の視線に気づかれたのか愛と目があってしまった…


(しまった…)

ん?私何か変?顔に朝ごはんの米粒付いてるとかじゃないよね?!
いや、そうじゃないよ。なんか不安な表情してるからさ。
(はい嘘です。かわいいから見てただけです。いつも見ていたいです(笑))
うん…クラス替えなるから、少し緊張してる…


龍一君が同じクラスだったらいいのにな♪

(うわ〜!なんていい響き!それもう1回聞きたい(笑)同じクラスだったら、毎日見つめ続けます!(笑))
俺も放せる女子なんて愛くらいしかいないし、同じクラスなれたらいいのにな(笑)


思えば中学時代も同じクラス1回もなったことないもんな。


そう言えば愛ってさ、中学時代から、結構男子振ってるよな?(笑)


高校入ってからもたまに告られても振ってるよな?


好きな人とかいんの?

(スゲー聞きたくないけど、つい聞いてしまった…)
うん…ずっと好きな人いるんだ…


龍一君は好きな人いないの?

(何?!ずっと好きな人がいるだとぉ!聞きたい…でも聞けない…)
ん?俺?(笑)俺みたいな平凡な人間がどうしたら、彼女出来るか知りたいくらいだよ(笑)告られたことすらないし、告ったこともない…


バレンタインなんて愛からの義理チョコしかもらったことがない男だよ(泣)


イベント事とは無縁の男だよ(笑)

義理じゃないのに…
(今義理じゃないって言った?俺の聞き間違い?)
私は龍一君の良いところいっぱい知ってるよ!
え?!マジ?!俺の良いところって?
ないのかよ(笑)
いつも頑張ってるところ(笑)
俺が頑張ってる?勉強もスポーツも平凡な帰宅部の俺が?(笑)
1年生のとき美化委員の仕事一人で頑張ってるのみた。


私も美化委員やればよかったって思ったよ。

ちょっと恥ずかしそうに愛が言った。
(うそ?!同じ委員とか毎日美化活動行くよ俺(笑)、そういえば図書委員はギャルみたいなやつと一緒で仕事全部押し付けられてただけなんだけどな…(笑))
じゃあさ、2年生、もし違うクラスでも同じクラスでもよかったら一緒に…
途中まで言った所で邪魔が入った…
よう!龍一じゃん!うわ〜龍一の分際で坂木さんと一緒に学校来てるよ。
(何でタイミング考えないで現れんだよ…)


愛と一緒に学校へ行く時間はあっという間で学校が近くなり、親友の明と遭遇してしまった…

俺の分際で、愛と一緒に登校して悪かったな!
学校の校門がもう見えていた…
じゃあ、私先に行くね。一緒に登校してくれてありがとう♪♪またね♪
愛はそう言うと言ってしまった…
愛が言ってしまうと俺は明を睨んだ。
お前なぁ。普通に気を使って話しかけないでいることもできただろ。


邪魔すんなよな(笑)

え?マジ?ゴメン。悪気があったわけじゃなくて、ついお前を見かけたからさ(笑)


坂木さん、可愛いよな。可愛いギャルもいいけど、坂木さんみたいな清楚系のほうが俺はタイプだわ〜(笑)

そう思うなら、なおさら、俺が愛と話せる時間を潰した罪は重いからな!(笑)
お前、坂木さんしか話せる女子位ないもんな(笑)


坂木さんには愛とか言って下の名前で平然と話せるくせに、外の女子だとガチガチだもんな(笑)

あ〜なんとでも言え(笑)お前なんて俺の気持ちわかんないだろ。
悪かったよ(汗)帰りにジュース奢ってやるし、坂木さんと同じクラスだったら色々報告してやるからさ(笑)
じゃあ許すわ(笑)
明と他愛もない話をしながら登校口に向かった。
※坂木 愛 龍一のもう一人の幼馴染。
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登場人物紹介

上田 龍一(うえだ りゅういち)

城西高等学校2年生

成績、スポーツ、容姿全てが平均的男子。同級生で同じ高校で同じクラスの坂木 愛(さかき あい)に恋をしている。

冬月 千春(ふゆつき ちはる)龍一のクラスへの転校生。

両親離婚前は白石 千春(しらいし ちはる)

元アイドル。そして記憶を失くしている。

坂木 愛(さかき あい)城西高等学校2年生。龍一と同じクラス。


目立つタイプではなく、あんまり人の輪に入ることが得意ではないが、容姿が良いため男子から密かに人気がある。

酒井 真美(さかい まみ)。龍一のクラスメイトで、愛の親友。

佐藤 明(さとう あきら)。龍一のクラスメイトで親友。

神谷 俊(かみや しゅん)。龍一と同じクラスで学年一のモテ男。性格もイケメン。

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