【NEW】分心(ぶんしん)

文字数 783文字

恋愛をするって、

心を相手に預けるようなことだなって思うんだよね。

なるほど。

相手を信頼して、自分の心のうちをさらけ出すようなイメージか?

そう。

もちろん、人それぞれ度合いはあると思うんだけど、

共有した時間は、確かにお互いの中に蓄積していくし、

それに伴って、相手の中に自分をどんどん預けていくような。

過ごした時間、交わした言葉が多いほど、深いほどに、

心は相手と強く結びついていくものだな。

そうなんだ。

まるで、自分の心を分けているかのように…。

それを実感するのは、それこそ、

別れる時になってからなんだけれど、、

相手が、どれだけ大きな存在だったのかに気づく、というようなことか?
そういうこと。

心を相手に分けてしまったから、

別れる時にはまるで、心がふたつに引き裂かれるような気持ちになる。

それだけ、信頼して心を預けていたということなんだけど。

うきよは本当に、正直だからな。

余計にそうなのかもしれんな。

自分の心を、素直に相手に預けてしまえるからこそ、そうなんだろう。

そうなのかな…。

まあもしかしたら、僕があまりにも、

人を信用しすぎているのかもしれない。

でも、本当に信頼しあえる関係って、

そんな関係であったらいいなって思うんだよね。

なんだか、別の場面で、

「誰もわかってくれない」と言っていたとは思えないくらいに、

人を信用しているような言葉だな。

はは、、確かにそうだね、、

本当は、信頼したいんだと思う。

相手に甘えたいんだと思う。

自分を、受け止めてもらいたいんだと思う。

そうか…
でも、自分の心の面倒は、

自分で見なければいけないよね。

相手に依存してしまって、

ひとりで立てなくなるのは違う、

そのことも分かってるよ。

ああ。

自分で自分を生きる、

とても大切なことだな。

話してて、ちょっと整理できてきた。

ありがとう。

別れを思い出すとシンドいけど、

それを抱えながら前に進むしかないんだよね。

頑張るよ。

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登場人物紹介

名前:うきよ

一見なにも不自由なく生きてきたようで

幼い頃から言い知れぬ孤独を感じていた

それでも普通のどこにでもいそうな青年。

筆者本人の心の声。

名前:いさお

うきよの数少ない友人であり理解者。

聴き役であり、一緒に考えるだけでなく

一緒に悩み生きてくれる存在。

名前:かなで

うきよの姉のような存在であり

初恋の人でもあり、常に心の支え。

いまはお互いに「大切な人」という

関係の中で安心している。

名前:うきよ(子ども時代)

時おり登場するうきよの子ども時代の心。

時に問いかけ時に応える、心の声であり

今もうきよの中で生きつづけている

素直で正直な心のあらわれ。

名前:かつお

鰹ではなくカツオでもなくかつお。

よくわからない。

でも魚だということは確か。でも喋る。

ちなみにうきよは魚好き。

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