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文字数 487文字



いつもじゃない帰り道
知らない本屋へと立ち寄り
無知な僕の目にとまった
タイトルにグッとくる満月の夜
お酒はあまり飲めない
うまいものには目がない
でも1人で入れる店は
まだそんなに多くもない
もっぱら自炊している
案外得意だった料理
時々かえる実家では
最近母より多いレパートリー
こんな毎日を10年も続けていたら
彼女なんて
作っても長続きもせずに
少子化問題の一端を担ってる存在だったりする
何もかもが満たされていて
何か欲しいもが見つかっても
ほんの少し背伸びすれば
手に入れられるものが多い
家庭を持って一人前と育てられた父なんかには
理解できない時代なのかもしれない
この世界にはもう何か手に入れたい
ホンモノはどのくらい残っているのだろうか
毎日が生きるか死ぬかの
世界があることは知ってる
手を差し伸べる勇気もなく
僕の毎日が過ぎていく
平和という当たり前を実感をすることもなく
ただ生きている
笑っている楽しいことはお金で買えてしまうから
鏡の前の僕はただスーツという鎧に身をまとい
歩み続ける
大人たちが壊してきた高い壁の残骸を横目に
振り上げた拳はどこに下ろせばいいのかもわからずに
夢を語ろうギター片手に
この喉が乾くまで
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