第50話 川辺のダンボール6
文字数 565文字
翌朝が帰る日だったのは神のお導きかと思えた。
別に昨日の映像が気持ち悪くてというわけではないのに、朝食はロクに喉を通らなかった。
バスに乗り込むまでのわずかな時間に、俺たち4人はジャージの下にDVDを隠して集合した。
川に戻るのはそれほど難しくはなかった。
それなのに、DVDが入っていた白いダンボールがどこにもない。
昨日は浮かれて箱をどうしたかまでは詳細に覚えてないけれど、少なくとも壊したりたたんだりはしていなかった。
そのまま放置して帰ったはずだ。
「ここじゃないんじゃないか?」
「いや、間違いない。
この岩のコケがハゲたところ、オレが昨日足を滑らせそうになったとこだから」
集合時間は刻々と迫るのに、どうしてもダンボールが見つからなかった。
空になった箱が風で飛ばされてしまったならいいけれど。
もしそうでなかったら……。
「とりあえず、持っているわけにいかないから、置いて帰ろう」
「だな」
オレたちはDVDがあったと思われる場所にケースを並べて積み上げ、ダッシュで宿泊施設へと戻った。
すでに点呼が始まっていて、先生に怒鳴られながらリュックを取りに階段を駆け上がる羽目になった。
息を切らせて駐車場に集合すると、担任の先生がオッサンと話していた。
中肉中背で胡麻塩頭のオッサン。
年格好は、ちょうどオレの親父くらい――。
別に昨日の映像が気持ち悪くてというわけではないのに、朝食はロクに喉を通らなかった。
バスに乗り込むまでのわずかな時間に、俺たち4人はジャージの下にDVDを隠して集合した。
川に戻るのはそれほど難しくはなかった。
それなのに、DVDが入っていた白いダンボールがどこにもない。
昨日は浮かれて箱をどうしたかまでは詳細に覚えてないけれど、少なくとも壊したりたたんだりはしていなかった。
そのまま放置して帰ったはずだ。
「ここじゃないんじゃないか?」
「いや、間違いない。
この岩のコケがハゲたところ、オレが昨日足を滑らせそうになったとこだから」
集合時間は刻々と迫るのに、どうしてもダンボールが見つからなかった。
空になった箱が風で飛ばされてしまったならいいけれど。
もしそうでなかったら……。
「とりあえず、持っているわけにいかないから、置いて帰ろう」
「だな」
オレたちはDVDがあったと思われる場所にケースを並べて積み上げ、ダッシュで宿泊施設へと戻った。
すでに点呼が始まっていて、先生に怒鳴られながらリュックを取りに階段を駆け上がる羽目になった。
息を切らせて駐車場に集合すると、担任の先生がオッサンと話していた。
中肉中背で胡麻塩頭のオッサン。
年格好は、ちょうどオレの親父くらい――。